私の中の歌舞伎町たって、私は新宿の歌舞伎町には足を踏み込んだことは無い。
ただ、店でよく歌う曲は椎名林檎の歌舞伎の嬢王である。
これを、夜の女が歌うと、コイツ浸ってんな〜と思うだろうけど。それで良いんだ。浸ってんだよ、気持ちよくなっちゃってんのよ。
別にシワシワの祖母に手を引かれた頃もあったし、
一人で訪れる歓楽街も、何せ高校は大阪のミナミに有ったので、重ね合わせてしまう自分もいる訳で。
ただ、母親は女王では無いってだけ。
ウチは、幼稚園から高校までの一貫校に通ってた母。
だから、まぁある意味世間知らずなお嬢様ではあったかもしれない。
悦に浸ってはいる。
そう、この曲を歌う時大抵私は悦に浸っている。
生き写しの様な母は居ないけれど、どこか勤め先のママとは親子と言われることも多い。
ママは、10代から多趣味だったのか還暦の今も多趣味である。趣味は何ですか?なんて振れば、アレにコレにソレにとてんこ盛りで返ってくるの事が容易に想像がつく。
そんなママは、きっと私を捨てはしないしその名を継げる程の名誉も私には無いけれど、歌舞伎町に足を踏み入れることも無いけれど。
多趣味だな、と思う事はあれど、何をやらせてもカタチにしてくるんだから、すごいのよ。
驚いたのは私の中の普通
この歌を歌う時、全く重なりもしない本当の母と、どこか重なってしまうスナックのママが私の中には居る。
でも思い当たる祖母は母方の祖母のみで、コチラも隠しようのない、箱入りタイプなので林檎嬢の描く祖母とはニュアンスが違うはず。
なので、この歌の時悦に浸り気持ちよくなっちゃってる時は、私の中の母はママ。
でも、私の中の普通の母は、本当の母なのである。だから、家事に追われて育児に追われて、病に伏して好きな歌手はチェッカーズが私の普通である。
そして、私が小学生で見るも無残な程に病に伏した母なのでコレと言っての影響もなく育った。
一方、ママの方は出会ってもう15~6年経とうとしているはず。出会い方は端折るけど、かれこれ数えたらそんな長さになってきた。母とはひとつ違いである。
先代から継いだスナックを経営し、バンド活動の傍ら詩を書き詩集を出したり何やらコラージュとやらをして個展を開いているらしい。
バンドのLIVEには何度か通っては居るが、ジャンルという物のどれにあたるのか未だ分かっていない。
還暦を迎え、急に習い事が…と話に出ることが増えだした。還暦を迎えた人の習い事のイメージとしては、市の講座や、お習字とか、着付けとかをイメージしていたし普通と思っていた。
実の母は、コーラス部?とやらに通いソプラノを担当していたし。
毎週金曜に来てた男と暮らす
そんな事はママは、無いけれど。私の普通は覆された。何とDJレッスンに通いだしたのであった。ビックリし過ぎて、黙ったのを覚えている。通うだけなら、簡単だろう。何と個人レッスンだと言うし、機材も全て揃えていた。因みに、LINEすら交換出来ぬ人である。なのに、ターンテーブルに、MacBookという難しいでしょ?って言いたくなる機材を使いこなし、習いだして数ヶ月で人前でやりきったのであった。
度肝は抜かれたし、カッチョ良すぎて怖さすら覚えた。
女王という肩書き
私は、肩書きが大好きではあるから、女王様気取りでなんか鼻につく。そう思われる事も多いだろう。ママ、店のある地元ではある種女王だが、どちらかと言えばお姫様という方がシックリくる。
悦に浸り気持ちよくなっちゃってる時、私はいつもこの人の背中は越えられないと想い歌う。
越えたいと思い、真似てきた時期は有るけれど天才や奇人を真似たタダの凡人にしかなれなかったし、あの人になりたいやった事に気づいた。
今夜からは私が女王
そんな、夢みたいな話はきっとどんなに身を削ってもない。なのに、この部分だけ凄く気持ちが篭もる気がするのは、私の中の野心がまだ何か言いたいんだろうと思う。それにそっと蓋をしておこう。無理だから。
私の中の歌舞伎町な話。