いつもありがとうございます。
ねこのむしです。
今回は私が描いた作品についてのご紹介をさせてください。
『星の行方 the After of Stellar fate - E.S.1306 -』は、作中でも触れている通り、一つの冒険が終わったところから始まる物語です。
いわゆる「魔王を倒した後の世界」を描く物語に近い部分はありますが、その見せ方は少し異なるものかもしれません。
本作では、章や節ごとに物語を見る人物が変わります。
一人の視点だけでは、この世界に残されたもののすべてを見ることはできないと考えたからです。そして「生きていく」という意味では、登場人物の誰もが、それぞれの人生の主人公であるとも思っています。
ある人にとって懐かしい場所が、別の人にとっては初めて目にする景色かもしれない。
誰かが傷跡として見るものを、別の誰かは新しい可能性として見るかもしれない。
同じ出来事の中に立っていても、立場や記憶が違えば、見える光景も、そこに宿る意味も変わります。
戦闘一つを取っても、前線へ駆けていく人物が見るものと、後方から全体を見渡す人物が把握する状況は異なります。立つ場所が違えば、追うべき相手も、目を向ける行動も変わります。
だからこそ、その場面で誰の視点が誰を追い、何に注意を向け、どの行動を重要なものとして受け止めているのか。それができる限り伝わるようにしたいと考え、この構成を採用しました。
そのため本作では、世界を説明によって示すことよりも、彼らが何を見て、どこへ視線を向け、何を思い、何を感じて行動しているのかを描くことを重視しています。
空気の重さ、響く音や伝わる振動、視線の先に映るもの、触れたときの感触。
そうした五感に関わる多くの部分も、言葉ですべてを決め切るのではなく、できる限り読んでくださる方の想像に委ねる形で描いています。
皆様の頭の中に一つの景色が浮かび、その中で音が鳴り、光や暗さ、匂いや手触りまで感じられる。
そうして初めて、この物語の世界は広がっていくのだと思っています。
それぞれの視点の先にあるものを思い描きながら、読んでいただけたなら嬉しく思います。