およそ40日かけて、27万字書きました。全部で29万字。
結論:私は十万字以上の長編を書くことができる。ただし、致命的に向いてない。
というか、創作自体向いてない。多分短編長編問わず。だけど、短編ならある程度カバーがきく。そんな感じ。
理由:私の思考様式のせい
私は全体の最適化を常にしたがります。むしろ、最適化こそが私の快楽源です。
最適化のできないタスクは私にとって苦痛であり苦行です。人付き合いとか。
私は一文書くたびに、これは全ての過去の文章と照らし合わせて整合しているか?という内部チェックが走ります。内部チェックのために、脳は過去に書いた内容を保持し続けようとします。
一文書くたびに関連する事項はこれとこれ、関連したシーンはあそことあそことあそこ、関連する描写はその中のどこそこだな……、という順番で検索がかかります。自動的に。
朝も起きるたびに、脳が自動的に、保持している構造を最初から精査して、整合性チェックを走らせます。だから覚醒時には、ああ、あの章のあそこは直さないとな…、とか、あの設定の整合性を取るにはどんな設定がいるかな…、とかを考え出します。二度寝ができません。
でもね、これ、長編ではものすごく無理があるんですよ。全部詳細に記憶を保持し続けろということですから。
さらに、長編だと最初にプロットを確定させるということができません。
意志が弱いとかそういうことじゃなくて、私にとっては、創作とはドライブみたいなものなのです。
プロットとはカーナビのルート設定です。
書いている最中に、私の脳は、常に論理演算で目的地へのルート検索をし続けます。ルート検索自体が、私にとって思考の快楽なのです。考えること自体が楽しい。
そして、目的地(終点)への、より適切で、より複雑なルート検索が続けられそうなルートが見えてしまったら、当然そっちに行きます。だって、考えること自体が楽しいから。そうすると、事前に予定していたそこから先のルート(プロット)は全部破棄されます。
運転(創作)が楽しいかどうかが全てで、乗客(読者)が窓から見える景色であるだとか、燃費だとかはどうでもいいわけです。誰もこんな車に乗りたがりませんね!私も嫌です(笑)
で、ルート計算自体が目的になると、テンプレ展開自体が書けなくなります。私がテンプレを書けない理由はここにあったのか、という感じ。考えることが快楽なのに、考えることを要求しないテンプレ展開を書くことなんて、私にはただの作業でしかないわけです。何も考えたくないときに読むのは楽で好きなんですよ。でも、書くこと自体には快楽を感じられない。
で、目的地にたどり着いたあとで、なんかすごいバランス悪いよね。じゃあこのまま冷凍でいいな。ということになる。乗客(読者)に評価してもらうことではなく、あくまでルート計算自体が私にはご褒美なんですよね。おかしなことかもしれませんが。
私にとって創作とは、出発地から目的地に達する特定ルートが存在することについての証明作業であるのです。
だから、人が読むのに耐える長編創作にはならないのではないかなあ。
楽しいなら、趣味で書くことには向いているんじゃない?って思うかもしれません。
楽しくてもめちゃくちゃ消耗はします。
もう嫌だと私の脳みそは叫びました。
私は、料理とかのマルチタスクは問題ないのだけれど、論理的思考を必要とするタスクの並列作業ははっきり苦手です。というかできない。一時的に別の作業をしようとしても、頭の中では完全切り替えです。これが非常に負荷が高い。
どっぷり思考全部を一つのことに集中させるので、他のことをしようとすると頭の中のメモリ内容を全部吹っ飛ばして、新しい情報を展開しなきゃいけなくなる。
思考全部を一つのことに深化して集中すること自体が私は快楽なので、そうしないとゲームも創作も一切楽しめない。ただのストレスを増やすタスクになる。最初からやる意味がなくなってしまうのです。
で。別の世界にどっぷりつかって気分転換したい、って思ってもね、長編だと、切り替え自体ができないんです。正確には切り替えのコストが高すぎて、やりたい気持ちがあるのに踏み込めないという現象が起きる。
遊びたい、でもこれが終わるまではできない、という葛藤でぐむむむ…となるわけです。私が40日も修行僧みたいな生活を送れたのは、愚痴を聞いてくれた友人のおかげです。もっと気楽に書いたら、とは言われましたが、切り替え時に発生する負荷は、とても気楽にできるようなものではありません。
だって、ゲームして創作にまた戻ろうってなると、メモリ内容を全部復元しなきゃならない。そこまでに書いたものを全部読み直して、何を考えてたんだっけ?って最初から書いた時の思考を全部辿りなおさないと完全なメモリが復元できない。十万字を越える規模でそんなこと、絶対にしたくありません。
まあ、こういう人間もいるということで。
友人にそそのかされて書いてみたけど、もう長編なんて絶対に書きたくないです。よくもまあ書けたなあ、と自分でも思うけど、品質はちょっとアレなんですよね。詰め込みで書いたから仕方ないけど。この作品は読んでみたいと言う友人に渡した後は、冷凍庫にポイ予定です。この上公開のための推敲はしたくないので笑
推敲何カ月かかるんだよ、私はゲームがしたいんだ!この脳内メモリは捨てる!
昨日終わったから、今日から別のことをしようと思っていたのに、朝の覚醒時も自動で検証タスクが起動した。もうやめてくれ…