はじめまして。
"ヤマシロ"と申します。
二〇〇四年から二〇二六年までの二十二年間、ひとつの長編SFを書き続けていました。
『星の染め方 ── DYE THE UNIVERSE ──』というタイトルです。
二〇二六年に上梓しました。
これが、作家としての最初の作品になります。
何を書いているか?
SFです。
NASA系のリアルSFと呼ばれるジャンルに近いと思います。
物語の舞台は二〇七五年。
地球と火星を航行する貨物輸送船「アルバトロス号」と、量子重力理論の博士号を持つ二十九歳の主人公・渡海亜希子、そして人間と協働するAIヒューマノイドたちが、ある未知の天体と遭遇するところから始まります。
ただし、私が本当に書きたかったのは、宇宙の謎ではありません。
「未知を前にした人間が、何を観測し、何を仮説とし、何を選ぶか」
それが、この作品の主軸です。
影響を受けた作家・作品群
中心に居続けるのは Carl Sagan 氏です。
※本業は天文学者
彼の『COSMOS』と『Contact』がなければ、
私はこの物語を書き始めることができませんでした。
「私たちは、星の材料でできている(We are made of star stuff)」
この一節が、二十二年間ずっと、執筆の北極星のような役割を果たしてくれました。
加えて、ご紹介しきれないほどある素晴らしい作品が世の中に沢山。
幼年期の終わり・未来の二つの顔・星を継ぐもの・三体や、映画だと『2001年』『コンタクト』『インターステラー』『Project Hail Mary』などなど・・・
偉大で素晴らしい数々の作品から私は感銘を受け、本作は徐々に形を成していきました。
「リアルSF」と「感情ドラマ」の両立
本作で挑戦したのは、ハードな科学考証と、人間の感情ドラマを、同じ手のひらに収めることでした。
量子重力理論、真空相転移、対生成、ニュートリノフラックス、カルダシェフ尺度。これらの実在する物理学概念を、「魔法」のように扱わないこと。観測→仮説→検証→否定→再構築という科学的思考の構造を、物語の骨格に貫くこと。
その一方で、染色職人だった主人公の叔父が遺した言葉、宇宙船クルー六名の絆、AIヒューマノイドとの静かな信頼関係、二〇七五年の地球社会で進行する富の階層構造。
科学と感情、宇宙と地上、未来と二〇二六年の私たち。
それらの境界線を、できるだけ薄く描こうとしました。
少しでもたくさんの方にお読みいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。