【大正異能譚ー花は遅れて咲くー】
大正の世。
異能と神異を受け継ぐ名家たちが、政と影の中で密かに勢力を保ち続けていた。
花守家の長女・花守詩乃は、咲耶姫の血筋を継ぐ名家に生まれながら異能を持たない娘として蔑まれ、家族からも、世間からも価値を見出されずに生きてきた。
妹・華澄にはすでに名家の許嫁がつき、家族は華澄の将来だけを誇りにする。
詩乃はただ、家の隅でひっそりと花を眺める日々。
しかし、とある宵。
異能家系の頂点に君臨する、黒峰家の若き当主、黒峰朔也が詩乃の前に現れる。
冷酷無慈悲と噂される男が、詩乃を見た瞬間、たった一目で言った。
『...お前だ。
我が妻に相応しい、遅咲きの花だ』
https://kakuyomu.jp/works/822139840418029342【龍神さまの生贄は前世の契りを結ぶ花嫁でした】
古くから龍神信仰が残る山間の村。巫女の血を引く水尾清野は、両親を亡くし後、親戚一家(宗次、美緒、綾乃)に虐げられ、使用人以下の生活を送ってきた。
そしてついに、村の安寧と引き換えに、彼女は「生贄」として、龍神の社に捧げられることになる。長年の孤独と絶望の中、清野は死を受け入れる覚悟を決めていた。
だが、夜の帳が下りた社に現れたのは、黒髪と青い瞳を持つ冷徹な美貌の龍神、蒼月だった。
「待たせたな、俺の花嫁」
蒼月は清野を「生贄」ではなく「前世で契りを結んだただ一人の妻」として迎え入れる。彼の神域で、清野は初めての溺愛を知り、過去の傷を癒やされていく。
しかし、二人の再会は単なるロマンスではなかった。前世、彼らは愛し合ったが、結ばれれば世界に大災害をもたらすという「運命の呪い」によって悲恋に終わっていたのだ。清野の首筋に宿る青玉の簪の痣は、その悲しい契りの証。
龍神の神力を乱し、世界を滅ぼすと言われる禁断の愛。
https://kakuyomu.jp/works/822139841154353901【宵闇に咲く花嫁 ─日輪の冷徹軍人と月の身代わり娘─】
日本を支える名家、葉月家に生まれた双子の姉・結衣は、地味で家族から影のように扱われ、孤独に生きてきた。妹の彩乃こそが「月」の力を継ぐと信じられ、すべての寵愛が注がれていたが、その彩乃が恐れをなして婚約話を拒否した。嫁ぎ先は、鎮守府を統べる「日輪の加護」を持つ神楽暁久。「冷鉄の将」と畏怖される彼は、過去の凄惨な裏切りにより心を閉ざした絶対的な軍人だった。
家のため、そして妹の代わりに罰を受ける覚悟で、結衣は彩乃の身代わりとして神楽家に嫁ぐことを決意する。
冷徹な軍人と、孤独な身代わり娘。太陽と月の運命的な契りが、今、宵闇の中で始まる。──これは、日月の加護を巡る、美しくも過酷な契りの物語。
https://kakuyomu.jp/works/822139841356678973和風ファンタジーを楽しみたい方はぜひ、この3作品をお楽しみいただければなと思います。