さよならあなたの聖女さま 6話
――瞬間。
ミゲル王子の、腕の感触が消えた。
足元に、豪華な天井画が見える。
あれは、確か、女神が聖女を選んだ場面の絵。
(……え?)
ミゲル王子の絶望に満ちた青い瞳。
わたしに向かって落ちる黄金の髪。
まわりの護衛達が、王子を抱えこむ。
伸ばした浅黒い腕が遠のいていく。
『フェリシア!!』
ミゲル王子の唇が叫んでいるけど聞こえない。
すべてがとてもゆっくりに感じる。
世界が、反転する。
歌声が渦のように満ちる中、
わたしは――
吸い込まれるように、
頭から真っ逆さまに、落ちた。
あ、だめ、これは、死ぬ………
そう思った、刹那。
わたしの身体は、光に包まれた。
――ふわり、と。
落下の衝撃はなく、
わたしは神官たちの円の中心へと、
やさしく『降ろされた』
ワイン瓶とグラスを握ったまま。
白いドレスに赤い雫を血のように飛び散らせ、
乱れた裾から、脚をあらわにして――
無様な姿で、仰向けに寝そべる、わたし。
次の瞬間。
神官たちが、一斉に跪いた。
――大神官すらも。
本文からのイメージで作りました。
※AI生成画像です。