母さん、今日のお昼なに?
「うふふ〜、ゆうちゃんはなんだと思う〜?」
う〜ん……。
母さん、さっきまで生地こねこねしてたから……ピザかトルティーヤ?
「残〜念〜。
正解はラーメンで〜す」
おお!
母さんがラーメン作るなんて珍しい。
いつもは「塩分高いから」って避けてるのにね。
「うふふ〜、今日は大晦日だもの〜。
ちょっと特別なものにしたいじゃないない〜?」
そだね。
いつもありがとうございます、お母様。
「あらあら〜、どういたしまして、ゆうちゃん〜」
でも、大丈夫かな?
夜の年越しそばの下準備もしてたよね?
麺類同士で被らない?
母さん、いつも「小麦製品つづきは血糖値が安定しなくなるから良くない」って言ってたよね?
「あら〜、ママの言うことちゃんと覚えてくれているのね〜。
偉いわ、ゆうちゃん〜」
ちょっ、母さん……いきなりスリスリするの止めて……!
打ち粉がメッチャ顔に付いちゃってるから……!
「大丈夫よ〜。
今夜の年越しそばは十割そばにするつもりだから〜」
なるほど。
それなら健康的だね!
っていうか、十割そば打てるんだね、母さん……。
相変わらず料理スキルが高くて強い……。
「ほら、ゆうちゃん、もうすぐ茹で上がるから、席について〜」
あいよ。
「じゃあ、目を瞑って、ゆうちゃん〜」
……え?
「さっき、何ラーメンか聞いてたじゃない〜?
食べさせてあげるから、当ててみて〜」
な、なるほど?
分かったよ。
「は〜い、あ〜〜ん」
あ〜ん。
もぐもぐ……。
「おお、味噌か!」
「うふふふふふ〜〜〜〜〜」
ん?
なに、母さん、その満足げで意味深な笑み……?
母さんのドヤ顔とか、メッチャ久しぶりに見たかも……。
「ゆうちゃん、今さっき自分が言ったこと、思い返してみて〜?」
自分が言ったこと……?
──「おお、味噌か」?
……おお、みそか……?
ま、待って……?
…………ま、まさか、母さん……?
「うふふ〜〜〜!
というわけで、大晦日だけに『おお、味噌か!』で大勝利〜〜〜!」
しょうもなッ……!?
物凄くしょうもないよ、母さん!?
ただのオバサンギャグだし、普通につまらないよ……!?
っていうか、もしかして、これやりたいためだけにラーメン作ったの!?
「そうよ〜。
賢いゆうちゃんなら望む答えを言ってくれるって、ママ確信してたわ〜」
いやそんな方向に信頼を置かれても……!?
しょうもないギャグに答えられるって、別に賢さ関係ないからね!?
ってか、こんなところでマインド・ゲーム仕掛けてくるの止めて……!?
「ほら、ゆうちゃん、あ〜〜ん」
あ、後は自分で食べれるから……。
「あ〜〜ん」
い、いや、後は自分で……?
「あ〜〜ん」
あ、あ〜ん……。
「どう〜?
美味しい〜?」
滅茶苦茶美味しいです……。
味濃くないし、お出汁と味噌ダレがいい感じに絡み合ってスープがスゴくいい感じ……。
こころなしか、さっきのオバサンギャグでいい感じに体が冷えたから、温かいものが余計に美味しく感じる……。
まぁ、こういうお正月も、悪くはないかな……?
◆◆◆◆◆ あとがき ◆◆◆◆◆
今年一年、誠にありがとうございました。
来年も、よろしくお願いいたします。
それでは皆様、良いお年を。(o_ _)o