こんにちは。
『返事はポストの中』をご覧いただき、ありがとうございます😊
第2章が完結し、いよいよポストの謎に手が届くところまできました。
今回は、この物語の主人公である「高坂茜」というキャラクターが、どのようにして生まれていったのか、その裏側を少しだけお話しします。
物語の主人公を作るとき、特にホラーでは、つい典型的なキャラクターを思い浮かべがちです。妹の失踪という大きな事件に巻き込まれた茜を、最初はもっと「か弱い被害者」として描くべきか、あるいは、超常的な謎に果敢に立ち向かう「強い探偵役」として描くべきか、実はすごく悩みました。
でも、どちらもしっくりきませんでした。そんな時、キャラクターを深掘りする中で、彼女の「職業」に立ち返りました。 郵便局員。それは、言葉を確実に「届ける」仕事です。
妹の陽菜は、誰よりも「手紙」を愛し、「届かない言葉」を悲しむ少女でした。そんな妹を失った彼女が、なぜこの仕事を選んだのか。その点を突き詰めて考えたとき、茜の持つ、この物語ならではの「強さ」の輪郭が見えてきたのです。
彼女の強さは、怪異に立ち向かう腕力や知識ではありません。かといって、ただ耐えるだけの弱さでもない。 彼女の強さとは、日々の仕事を黙々と、誠実にこなす「実直さ」。そして、届かない言葉の悲しみを、誰よりも知っているからこその「優しさ」なのだ、と。
この物語は、そんな茜だからこそ、たどり着ける結末があるはずだと確信しました。
「実直で、優しい強さ」を持った茜が、これから直面する、あまりに非現実的な恐怖に対して、どのような答えを見つけ出すのか。 彼女が、本当の意味で、妹の想いに応える日は来るのか。
ぜひ、その旅路を、最後まで一緒に見届けていただけると嬉しいです✨
