【基本情報】
・辻村政臣(咲子の父)……茶道具店の店主。伝統と家業を重んじる、厳格な性格。
・辻村文子(咲子の母)……店を夫とともに支える。
・辻村正親(咲子の兄)……店の跡継ぎとして期待されていたが、家業ではなく医学の道を志し、医師になった。
京都で代々続く老舗の茶道具店『松籟堂(しょうらいどう)』。
茶碗、茶入、茶杓、棗、釜などの茶道具を扱い、茶人や茶道関係者に長年の顧客を持つ。
咲子は幼いころから茶道に親しんでおり、結婚後に横浜の自宅で茶道教室を開いているのも、この実家で育った影響が大きい。
【跡継ぎ問題発生】
政臣と文子は、長男である正親がいずれ店を継ぐものと考えていた。
しかし正親は医師になる道を選択する。
息子の進路をきっかけに、長年続いてきた店の跡継ぎが不在となる。
そこで政臣が考えたのが、「咲子に婿を取り、その男性に店を継いでもらう」
という方法だった。
次々と持ち込まれる縁談に、咲子は息苦しさを覚えるようになる。
【咲子と誠志郎との出会い】
縁談が本格化していたころ、咲子は一人旅に出る。その旅の途中、フェリーで一人の青年と出会う。
彼の名は、篝誠志郎。
その後、何やかんやあり、二人は恋愛関係になる。
【両家顔合わせ】
やがて誠志郎との結婚を望むようになった咲子は、彼を両親に紹介。
しかし、両親が望んでいた婿候補とは条件が大きく異なっていた。
誠志郎は神奈川特対局の局員であり、京都へ移住して茶道具店を継ぐ意思はない。
両家顔合わせで、波乱が起きる。原因は誠志郎の両親・源治郎と千代だ。
政臣「お仕事は何を?」
誠志郎「特対局員です」
源治郎「同じく」
政臣「……危険なお仕事ですなぁ」
源治郎「はい。明日死ぬ可能性もあります」
誠志郎(親父……! それはそうだけど今言うなよ……!)
さらに――。
千代「私は占い師です」
政臣・文子「……!?」
誠志郎(お袋も黙っててくれ……!)
【実家との絶縁】
最終的に、咲子の両親が二人の結婚を快く認めることはなかった。
度重なる失言により、源治郎は辻村家を出禁になる。
それでも咲子は誠志郎を選ぶ。
二人は駆け落ちに近い形で結婚し、横浜で家庭を築く。
これによって咲子と京都の実家は、しばらく絶縁状態になる。
【孫による関係修復】
結婚から数年後。
咲子・誠志郎は意を決して、辻村家を訪れる。
二人の間に生まれた子ども、奏一郎(4歳)、恭子(0歳)を連れて。
初めて孫を目の前にした政臣と文子の態度は一変する。
まだ生まれたばかりの恭子。
奏一郎は、幼い頃の咲子とよく似た容姿で、賢く、愛想がいい。
あまりにも可愛い孫たちだった。
これをきっかけに、両家の交流が再開する。
しかし源治郎だけは、何年経っても出禁のままだ。
【奏一郎を跡継ぎに】
そして新たな問題が発生する。
政臣は、高校生になった奏一郎を見て、「この子に店を継がせたい」と思うようになる。
どう見ても適性があるからだ。
「大学卒業したら、京都に来んか?」
「いつまでも源治郎さんのとこにおらんといてや」
祖父からたびたび勧誘される奏一郎だが、毎回やんわりとかわしている。