1. (起)
【朝日が差し込むダイニング。湯気の上がる味噌汁の香りが、先日の死闘が嘘だったかのように錯覚させる。アランが箸を置き、居住まいを正した。】
アラン 「ハル、キヨシ。……改めて、娘の香織を救い出してくれたこと、心から感謝する。親として、これ以上の恩はない」
【キヨシが慌てて首を振る。】
キヨシ 「滅相もございません。お嬢様がご無事で何よりです。……なあ、ハル」
ハル 「ええ。私共も、こうしてお役に立てて光栄に存じます、ご主人様」
2. (承)
【アランの目が、ふと細められた。】
アラン 「ほう……『呼び捨て』か。戦場を共にすれば、もう二人はそんな仲なのか?」
【キヨシが顔を赤くし、ハルが珍しく視線を泳がせる。ハウスキーパーが皿を下げながら、鼻で笑った。】
ハウスキーパー 「全く、最近の若者ときたら。主の前だというのに、節操がありませんこと」
アラン 「まあまあ、いいじゃないか。それより、香織が二人に折り入って頼みがあるそうだ」
【アランの言葉に、二人は背筋を伸ばした。】
キヨシ&ハル 「何なりとお申し付けください、お嬢様」
3. (転)
【香織が二人の前に歩み寄り、その大きな手を交互に握った。】
香織 「あのね……私のお兄ちゃんと、お姉ちゃんになってほしいの」
【二人が呆気に取られる中、香織は言葉を継ぐ。】
香織 「船の中で、私を守ってくれた二人の背中を見て思ったの。こんなにかっこよくて強い二人が、本当のきょうだいだったら、私……とっても心強いなって」
【アランも穏やかに頷く。】
アラン 「一人っ子で寂しい思いもさせてきた。二人が了承してくれるなら、私からもお願いしたい」
【ハルが涙を浮かべて微笑み、キヨシが力強く頷いた。】
キヨシ&ハル 「……喜んで。一生、お守りいたします」
4. (結)
【食後の余韻が残る中、アランがキヨシを一人、奥の書斎へと促した。重厚な扉が閉まった瞬間、室温が数度下がったかのような静寂が訪れる。】
アラン 「キヨシ……君の過去を、調べさせてもらった」
【キヨシの肩が微かに跳ねる。アランの瞳には、先ほどの慈父の面影はない。】
キヨシ 「……旧会津藩の情報網から……ですね」
アラン 「……そうだ。だが、誤解しないでほしい。君はもう、私たちの『ファミリー』だ」
キヨシ 「分かっています。……そして、彼女は……ハルは、やはり」
【アランは深く椅子に沈み、冷徹な事実を告げた。】
アラン 「……そうだ。あの子は、会津の闇を走る『影』の末裔だ。――そしてお前もまた、逃げられぬ過去を持つ男だ」
第24話、いかがでしたか?
ついに明かされたアランの真意。彼は最初からキヨシの素性を知っていた……?
旧会津藩の情報網が、バラバラだったピースを再構築していく。
「家族」という名の絆が、逃れられぬ「宿命」の扉を開く――。
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