1. (起)
【ハルに叩きのめされた男Aが、震えながら白状する。】
男A 「わ、分かった!……横浜の港だ!『紅龍(ホンロン)』っていう海外の密輸船に引き渡す手はずになってる……!」
ハル 「横浜ですって?……あなた、正気?お嬢様が消息を経ってまだ1時間も経ってないわ。まだ最寄りの駅にも着いていないわよね?」
男B 「へっ、甘いな。あのお嬢様は、すでに駅へ着いている。もうすぐ『特別仕立ての貨物便』が発車するぜ」
2. (承)
ハル 「まさか、こんな短時間に!どういうこと?答えなさい。お嬢様をどうやって運び出した!」
【ハルは凍てつくような眼差しを男Bに向け、手刀を振りかざした。】
男B 「ひっ……! 」
男A 「ま、待て!……あの上にある『緊急用の信号所』からトロッコに乗せて、別の仲間に下の貨物駅まで運ばせた。そこにはもう、横浜行きの『特別貨物』が待っていたってわけさ」
ハル 「なんですって!」
【そこへ、騒ぎを聞きつけたアランとキヨシが合流する。】
アラン 「ハル! 無事か!……おい、これは一体……」
キヨシ 「……ハルさん、これ、あなたが一人で?」
【倒れている二人組とハルを見比べ、驚きを隠せないアランとキヨシ。】
ハル 「そんなことより旦那様! 急がないと、汽車が出てしまいます!」
アラン 「汽車だと!?」
3. (転)
【ハルに制圧された男たちを横目に、事情を把握したアランは冷静に指示を飛ばす。】
アラン 「こいつらを地元警察へ突き出だすぞ。それと……我がエヴァンス家では、亡き父リチャードの代からの誼(よしみ)で政府要人にちょたツテがある。この件を公にせず秘密裏の協力要請をしてみよう」
キヨシ 「……えっ!政府の要人ですか!……そんな方とお知り合いだなんて知りませんでした!」
【アランの告白にキヨシはおろか、ハルも目を見開いていた。だが、ハウスキーパーは眉ひとつ動かさなかった。その違和感をハルは見逃さなかった。】
ハル 「(ん?……ひょっとしてハウスキーパーさんは、そのことを知っていた?)」
4. (結)
【アランは男達の足元に落ちていた『ボタン』に気づき拾い上げた。それにはエヴァンス家の象徴である鷹の紋章が入っていた。】
アラン 「(なぜ、これがここに落ちている。まさか、こいつらが……)」
アラン 「あとで要人と駅で合流したい。ハウスキーパーは警察に残り要人とのコンタクトを頼む。そのあと屋敷に戻り、周辺の警備を固めてくれ。キヨシ!ハル!お前たちは私と一緒に来てくれ!駅に向かうぞ」
キヨシ&ハル 「はい!承知いたしました」
【アランは『ボタン』を上着のポケットへ滑り込ませた。】
アラン 「(エヴァンス邸に、内通者がいる……?)」
【指先に触れる冷たい金属の感触が、拭いきれない疑惑を煽る。】
📌第11話いかがでしたか?
誘拐犯の足元に落ちていた、エヴァンス家の「鷹のボタン」。
ハルが感じたハウスキーパーへの違和感。
アランが下した、不可解な「別行動」の指示。
「信じられるのは、誰だ?」
物語はついに、横浜港での奪還作戦へと突入します!
📌平和な日常が急展開です!本編に繋がるこのエピソード。パロディがいきなりシリアスモードについにシフトチェンジ!?
キヨシ、ハル、アラン、香織の凸凹4人組が合流する本編『第二章』は、香織たちの脱出劇を描いた熱い展開です!ぜひ、作品ページから彼らの物語を追いかけてみてください。
【作品URL】
https://kakuyomu.jp/works/822139836859102664🌈 X(旧Twitter)でも『なんとなく4コマ劇場』を毎日更新中です!イメージ画と動画もこちらから↓
https://x.com/onitsuka_alan?s=21