◎名前→ボルメラー
◎肩書→炎山怪獣
◎身長→(初代・二代目)五十メートル
(三代目)六十メートル
(大戸氏の恐竜)推定五十メートル
◎初登場話→一話『東京消滅』
◎概要
→火山のような体組織を持つ恐竜型のマッシブな怪獣。長らく、史上初の怪獣災害を齎した『始まりの怪獣』とされてきた。
◎特徴
→ただ立っているだけでも周囲で自然発火が起こる程の熱量を体内に秘めており、怪獣の中でも極めて強力で危険な種類として知られている。武器はどんな炎も寄せ付けないマッシブな体から繰り出される怪力と凄まじい熱量を誇る熱線。また、強力な個体は自らのエネルギーを臨界状態にして熱量や身体能力を飛躍的に向上させる『蒼臨界状態』になる事が可能。
◎活動記録(初代)
→一九五四年、銀座地底より出現。熱線で銀座を焼き払うや否や、千代田区を目指し進撃を開始する。
道中、自衛隊の迎撃を受けるも高いタフネスと凄まじい火力を武器に一蹴、国会議事堂を灰燼に帰す。その後、都心を火の海に変えながら品川方面に侵攻。史上初の怪獣災害であり対処法が確立されていなかった事、技術レベルがまだ低かった事もあり、東京大空襲にも匹敵する死者10万人を出す大惨事と化した。
その後、品川を通過し蒲田で休息を取っている所を旧日本軍の科学者であった矢口大助氏の発明品である矢口式十六番凍結弾の一斉掃射で氷漬けにされ撃破される。その亡骸は自衛隊や米軍により調査され、世界に『怪獣』の存在を知らしめた。
◎活動記録(二代目)
→一九六六年、秋田県の竜ヶ森に出現。熱線を吐きながら近隣の都市へ向けて侵攻を開始するが、丁度この頃設立されたワンダの迎撃を受ける。
照明弾により山麓へ誘導されたボルメラーは逃げ回る戦闘機を撃ち落とそうと何度も熱線を発射するも、それが原因で山体崩壊が発生。巻き込まれ、大ダメージにより動けなくなった所を矢口式十六番凍結弾の一斉掃射で敢え無く討伐された。
この事件における周囲の街の死者はゼロであり、この見事なまでの勝利はワンダの初陣として広く喧伝された。
◎活動記録(三代目)
→初代・二代目を凌ぐ最大にして最強の個体。恐らく浅間山地底に潜伏し、その熱エネルギーを吸収して成長したと推測される。
二〇二四年、突如として活動を開始、関東各地で不審な地震を発生させながら南下し、芝浦にて地上に出現。出動したロックホークと交戦し、佐神喜八司令による奇策や駆け付けた援軍による凍結弾で一時は窮地に陥るも、蒼臨界状態になり逆転。今までの個体を遥かに凌ぐ火力でワンダを追い詰めるが、ここでアルガが乱入。不意打ちの破壊光線により大ダメージを受ける。
それでも戦意を失わず、強力な熱線で反撃するも、吸収され防がれてしまう。直後、アルガは凄まじい破壊力の破壊光線を東京中へ乱射し、巻き込まれたボルメラーは致命傷を負う。そして、アルガの史上最大規模の破壊光線により、東京諸共蒸発した。
◎大戸氏の恐竜
→初代ボルメラーが出現する数年前から小笠原諸島近海にて目撃が相次いだ謎の巨大生物。名前はこの生物の写真を撮影した記者の大戸浩一から取られた。
目撃証言を総合すると、独特な形状の背鰭とケロイド状の皮膚を持つ黒いボルメラーとでもいうべき印象だったとされる。また、目撃者の多くは何故か原因不明の被爆症状を発症しており、一九四六年に行われたアメリカ軍の核実験との関連を指摘する声もある。
長らく初代ボルメラーと同一個体と考えられていたが二十一世紀に入ってからの『怪獣ルネサンス(怪獣の再研究による革命的進歩)』により同一個体は愚か、そもそも別種ではないかという説が浮上する。曰く、ボルメラーには存在しない背鰭や体色の差異、目撃者に多く見られる被爆症状などから大戸氏の恐竜はボルメラーとは全く別の存在ではないかという。
もしこの仮説が正しければこの大戸氏の恐竜こそ、信頼できる記録の中で最古の怪獣と言う事になるが、その正体は不明。