直に告白すれば、この一ヶ月、私は常に自己疑念と否定の泥濘(ぬかるみ)の中にいました。書き続けても数字は動かず、いくつかの企画に参加しても、返ってくる反応はどこか空虚で、砂を噛むような日々でした。
そんな折、企画主である馬村ありんさんからのコメントに出会いました。もちろん、他の方々から頂いた言葉もすべて大切に読み、一つひとつ返信を重ねてきました。そうした皆様の支えと肯定があったからこそ、私は筆を折らずにここまで歩んでこれました。
本作『棄冕者(クラウンレス)』は、本来進めていた長編の手を一度止め、今の私のすべてを注ぎ込んだ短編です。
もし、『死して八年』の主人公たちが魔法やスキル、あるいは特別な「チート」を持ったデスナイトだとしたら、何の恩恵も持たない「普通の人人間」である私たちは、残酷な世界を前にどう立ち向かえばいいのか?
その問いへの答えを探す中で、この物語は生まれました。
傷だらけの身体、そして一敗塗地(いっぱいぬち)の境遇。そんな絶望の淵で、それでもなお這いずり回るような、泥臭い執念。
この物語が、一人でも多くの読者の心の深淵に届くことを願っています。