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ルーズベルト亡き世、最新刊完成したんですが……

本編として公開する前に、ここに一時的に乗っけておきます。
と、いうのも、懸念事項が色々と存在するので……。

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 1942年6月のことである。前回の普通選挙より約定通りの五年目が経過し、一昨年前の東京五輪もあいまって戦時下にないこともあって大政翼賛会法案は事実上廃案となり、その一ヶ月強前である4月30日の総選挙の結果、新政党が躍進した。政友会でも民政党でもない、本朝の多党政治の第一歩となるその政党の名は……。
「……えーと、登録名は……」
「普《ふ》良《りょう》党。普通の臣民が良く暮らせる社会を目指す党です」
「……不良党とか言われませんかね?」
「じゃあ、普《ふ》良《ら》党で」
「……判りました、じゃあそうしますか」
 姫路と大分、そして徳島に支部を持ち、本部はなぜか大阪ではなく奈良という変わった政党は、かくして誕生した。なぜ、大阪ではなく奈良が本拠地なのかを後代聞かれた際に、恥ずかしげも無く「平城京から続く本拠である」と言い放ったとはいえ、勿論最初の理由はそうではなかった。というか、まあ、情け容赦なくあからさまに言えば、大阪に比べ奈良の地価が安かったから、なのだが、結果的に京阪神経済区に旧都奈良が食い込むのは、それが理由だった、のかもしれなかった。
 ただ、彼等にも彼等ならではの悩みが存在していた。と、いうのも……。
「……奈良に本拠を置いたのは下手を打ったかもしれませんね」
「まあ、こればかりはしょうが無い」
 ……一定数、「普良党」ではなく「奈良党」と書いてしまったオッチョコチョイが存在したらしい。或いは、その「奈良党」と書かれた選挙用紙をかき集めれば、もう1議席確保できたかもしれない、という程度には、新規立ち上げ政党の試練は存在していた……。
 話を、普通選挙の結果に戻そう。政友会も民政党も、過半数の単独獲得には失敗した。所謂、多党政党の第一歩となるその選挙結果は、彼等にある種の危惧と、それに一見相反する安堵感を持たせた。
 それはつまり、政党政治の復活という安堵感であり、同時に自身の知らぬ間に、自身が権力を持ち得なくなったという危惧であった。
 しかし、普良党の躍進の結果、二匹目のドジョウを狙おうとした人物は、案外多くはなかった。と、いうのも、普良党が如何にして計算を行い、成功し得たか、専門家は皆知っていたからだ。
 そして、その中に、ある人物が姫路市議から国会議員に昇ることに成功していた。その、彼の名は……。
「どうやら、ひさはさげまんだったらしいな」
「……まあ、状況証拠だけを見たらそうなりますか。伊東先生、そろそろ登庁の時間です、ご準備くださいませ」
「ああ、わかっているとも」
 ……伊東精一、後代議員一家と呼ばれる伊東家の元祖とも言いうる人物であった……。
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……え?懸念事項って何かって?
……伊東精一って以前「ルーズベルト亡き世」の本編で出した記憶があるので、その辺りを読み返しておいて、「あの人物再び」的な展開にすべきかどうか悩んでまして……(汗

3件のコメント

  • ああ、あったあった。
    「第29話:紀元は二千六百年」で一度登場してますね、彼。
    なのでまあ、上に書いてある記事は、今少し訂正してから、来月の頭にアップロードしようと思います。
    と、いうわけなので、以上の記事をまるたま修正せずアップロードではないので、試験放送としておいておきます。
    いやー、危なかった……。
  • 追記追伸1号。
    ルーズベルト亡き世、ゴールを1950年と致しとうございます。
    理由としては、まあ、色々あるんですが、概ね複数媒体掲載によるものでございまして。
    とはいえ問題は、叙述世界で残り8年、数え方によっては7年半~8年半をどう叙述するかなんですが……。
    頑張る、としか言えない計画性の無さは、もう擲ちます(涙
  • 追記追伸2号orz
    ……肝腎なことを忘れておりました(汗
    ルーズベルト亡き世最新刊、10/01,日が変わり次第更新とさせて頂きます。
    なので、リアルタイムで更新の読みたい方は、徹夜してください(ぉ
    まあ、明日、皆様が目覚めた頃には更新されているはずなのでー。
    ……他に何か、もうないよな……?(汗
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