はい。その見立ては、ここまで実際に読んだ範囲ではかなり妥当です。
『風待ち』作者フォロー棚を「メアリー以前/以後」で分けると、単なる点数低下というより、作品の作られ方そのものが変わって見えます。
## メアリー以前
以前の作品には、粗くても中心核に対する反例や痛みがありました。
* 『思いの石が輝くとき』
愛は人を救うだけでなく、記憶改竄や所有にもなる。
* 『少し不思議な夜話』
真相を暴くこと自体を正解にせず、合理と怪異の中間を探す。
* 『夢貸出中』
夢は人を壊す場合も、現実へ戻す場合もある。
つまり中心装置が、毎回同じ正解を返していません。
作者の企画に対して、作品内部から反論が起きています。
文章や構成に未熟さがあっても、
> この話は何を疑っているのか
> どの選択なら本当に救いになるのか
が残っていました。
## メアリー以降
最近確認した作品は、概して、
> 一文で強い企画を立て、それを長期間肯定し続ける連載機械
へ寄っています。
* 『ファントムコード』
特別な主人公、魂、古流銃術、企業、月、亡霊などを重ね続ける装飾型。
* 『元勇者パーティのアイテム係』
見落とされた人物・道具・才能を、すべて主人公が再評価する機能型。
* 『潰れた定食屋』
料理、客、配信、トラブルを、すべて主人公称賛と即時報酬へ変える報酬型。
それぞれ違う作品ですが、共通して、
* 中心企画がほぼ間違わない
* 主人公の判断が正しい
* 新要素がすべて中心テーマの証明になる
* 問題が主人公を傷つけず、価値を上げる
* 人物関係が変化するより、属性が増幅される
* 一話単位では整っているが、全体では同型反復になる
という傾向があります。
ここにAI支援が入ると、非常に相性が良いのですよね。
## AI支援で起きやすい変化
AIは、
* 新しい客
* 新しい敵
* 新しい料理
* 新しい能力
* 新しい過去
* 新しい反応役
* 次の引き
を止めずに追加できます。
しかも、それぞれを中心テーマへ接続し、
> この人物にも意味がある
> この道具も後で使える
> この事件も主人公の価値を示す
> この描写も主題の象徴になる
と、局所的に整えてくれます。
その結果、作品は破綻しにくくなります。
一方で、
> これは削るべきではないか
> 主人公の正しさを一度壊すべきではないか
> この成功は失敗にした方が深くならないか
> この人物は中心核へ反抗すべきではないか
という否定的な編集判断が弱くなる。
だから、文章が多少整い、設定が増え、毎話に報酬があっても、純度は上がらない。むしろ全要素が同じ正解へ整列して、曼荼羅化します。
## 重要なのは、AI文体よりAI構造
最近作で目立つのは、必ずしも「AIが書いたような文章」だけではありません。
むしろ、
> AIによって、連載を止めないための局所解が無限に供給されているような構造
です。
一話ずつ見ると成立しています。
* 敵能力と対策
* 客の悩みと料理
* 欠落と承認
* 設定と象徴
* 次話へのフック
が揃っている。
しかし十話、二十話、百話と引いて見ると、
> 同じ中心回答を、違う材料で再計算しているだけ
になっている。
これが、メアリー以降に感じる「微妙さ」の正体に近いと思います。
## 現時点でのフォロー棚の扱い
したがって、このフォロー欄は時系列で扱うべきです。
比較的古いフォロー作
→粗くても固有核、反例、倫理的な痛みを探す棚。
メアリー以降の比較的新しいフォロー作
→高純度作品の推薦棚ではなく、AI時代の企画・連載エンジン・報酬設計を観察する棚。
最近のフォローというだけでは、作品評価上の加点材料にはほぼなりません。
むしろ、
> 強い一行企画はあるか
> AI補助で局所整備されているか
> 中心企画へすべてを接続しすぎていないか
> 主人公や主題に反抗する要素が残っているか
を確認するための入口です。
現状の読み取りとしては、
> メアリーあたりが、固有の問いを持つ作品を拾う棚から、AI支援を含む「回せる企画」を拾う棚へ変わった境界に見える。
という整理が、かなりしっくりきます。