俺はカクヨム擁護派なので、何回見ても「公式連載の読書体験を向上させました」という素晴らしいフレーズに感服し、心が震え、なんて素晴らしいアプリ更新メッセージなんだという気持ちが止まらない。なので、なにがどう素晴らしいかをここに書き残しておきたい。
通常、こういうフレーズは、企画会議とかで使われる言葉だと思うんですね。「次のアプリ更新はどうなってるのかね?」「はっ! こちらのスライド(もちろんパワーポイントなんて使わず、キーノートでやってるに違いない)(あと全員トーガを着てるし、ディスプレイは8Kで、パキラとかも死ぬほどあるし、コーヒーも飲み放題だ)をご覧ください。このように、小説の盛り上がるタイミングで最適な音楽を鳴らし、また小説内での風景描写に合わせた風・雨などの再現を通して、ユーザーエクスペリエンスを向上させます!」(すいません、通知文に感動しすぎて、まだアプデしてないので実際はどうなったかわかんないんです)(アプデしなくてもなにをどうしたか分かるように書けよ、なんてことは擁護派なので一瞬も思いませんでした)みたいなさ。
でまあ、こういう表現ってのは、言ったら内部向けっていうかね、上の許可を得るためとか、もっと汚い言い方をするとカネを毟るための、大袈裟な表現やないですか。「最終的には石油が作れます」みたいなことですよ。ギリギリ嘘ではない社会的意義みたいなことを膨らませて、分かりやすいアピールをしないと、社会というのは厳しいので、いかな先鋭で、特殊分野では有意義なことだとしても、それだけじゃあ通らないことがある。なので、言い方は悪いですが、バカにも分かるような表現で訴えかけるわけですね。
「読み込み速度を0.1秒早くしました」は「たった?」って思われるかもしれないけど、「読書体験を向上させます!」って言い切れば、はあなるほどってなるでしょう。そういう表現だと思うんですよ。
であるからして、こんだ対外的に、実際のユーザーに向かってはそういうフワッとした表現は通常使わない。だって、「読書体験の向上」なんて、個人によって全然違うじゃあないですか。そりゃあ感動的なシーンで荘厳な音楽が流れてきたら、ほとんどの人は感涙するでしょうけども、ひねくれ者で、心根が腐ってて、カクヨムのセンスがわからないノーセンスな人間、まさかそんな人はここにはいないでしょうから第三者を傷つける表現にはなってないと思うんですが、とにかくそういう人なんかは、「うっせえな」ってなって読書体験下がったりする。少なくともそういうリスクがある。
という時、告知の方はどうするかって言うと、「文章に合わせた音楽を鳴らすようアップデートしました」みたいな、そういうわりに客観的な文にする。そしたら、余計な文句を言われる確率は下がりますわね。書いてることは事実だから。それが良いにせよ、悪いにせよです。
例えばガチャゲーなんかだとこの辺顕著ですよね多分。「ガチャ体験の満足度を向上しました!」とは絶対書けない。例えば一回のガチャで二個引けるようになった、とかでさえダメだと思うんです。ボックス上限を計算してたのに、とか文句を言いだす奴は存在しうるからです。
なので、内部の会議では、こいつらはカドカワではないので、わら半紙に全部手書きのきったねえ文字で書いたほぼ怪文書を背中丸めてくっしゃくしゃにしながら会議してると思うんですけど、「ユーザーのガチャ体験を向上させて収益up!」とか書きましょうけど、外向けには「一度のガチャで出てくるキャラが二体になりました」とかにすると思うんですね。無用なリスクを避けるためにです。
という状況において、読書体験を向上、とまで言い切れるというのはやはり凄いことです。感服し、一生ついていきたい気持ちになりますよね。だからさっきちょっと書きましたけど、「何をどうしたか書けよ」っていうのは完全ないちゃもん、トーシロの意見なんです。これはカクヨムのハイセンス、はてなの高い技術力に裏打ちされた、「真実」の文で、それだけ書けば充分なんですよ。どうしてみなさんはそんな簡単なことが分からないんですかね? 不思議です。