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いいリマインダとわるいリマインダ

 リマインダ、備忘通知、なんでもいいけど、ようするに「〆切はあと5時間後だけどやってっか?」というような連絡のことを指す言葉である。

 いいリマインダというのは、その名の通り、マインドに遂行内容を再起させるものであって、あーそうだった、これやんないとダメだったー! ってちゃんと思い出せて、その物事を適当な時間内に完了できるようにする通知である。こういうリマインダは役に立つし、いいものだなあと思う。とても大事なものである。リマインダに救われているところは多々ある。

 ところがわるいリマインダというのもあって、いや「わるい」というのは完全に言いがかりなんだけど、代表例としてはこういうものである。
「のび太! 宿題やったの!?」

 ね。「今やろうと思ってたんだよ!」ってなるやつですよ。「あーあ、せっかく今やろうと思っていたのにかえってやる気がなくなった」ってなもんですよ。
 これがなぜ「わるい」リマインダになるかというと、もう思い出している、なんだったら「うーやんなきゃなあ~」ってずっと煩悶していて、だから自分でもやらなきゃあいけないことは分かっている、でもやりたくない、そういう物事、深謀遠慮と言っても良い思考過程に、「やりゃいいじゃん」「やれよ」というのを無遠慮・無神経にぶっこんでくるからである。やらなきゃいけないのは分かってんだよ! 覚えてるよ! もっと言うならこれを無遠慮・無神経っていうのは俺の言いがかりだというのも知ってるよ!

 で、この「わるい」リマインダを「いい」リマインダに変換するのは難しくって、なぜならそれは実行者の主観によって「わるい」か「いい」かが決定されるからなのですね。本当に忘れていたときは「いい」リマインダになる。覚えているときは「わるい」リマインダになる。
 さあどうする。

 実行者の性格を変える、という解決策はいったん措いておきましょう。そっちの方がいいような気もするけど。つかそういう方法があるなら教えてもらいたいもんだ。


 つうのはですね、昨日、リマインダメールが送られてきてですよ。今日中が〆切のやつね。確かに俺はそれまだやってなくて、あーやらなきゃーううぅって思っていたところにメールがきたもんだから、なんだか悲しい気持ちになって。というのは、「こいつは俺のことを信用していない」というのが明白になるわけですね。まあ信用されるようなことをしていないので信用されないのはこりゃあしょうがないんですけど、それが浮き彫りになるのはつらい。
 
 それで、まさにのび太くん状態になって、あーやる気なくした、せっかく今日やろうと思ってたのになー、あーあ、こんなリマインダメールが届いたばっかりに、くらいの自己中なことを思ってたんですけども。
 いや分かりますよ。理不尽な思考だということくらいは俺だってわかる。だから文句はここでしか言ってないじゃあないですか。でも全体を通してやだなあ、って思いながらやってたんですよ。

 そんな最中に、これもやらなきゃあなあ、って思ってた別件についてのメールが届きましてね。これはすごいうまいなって思ったのが、こう来るわけですよ。


「〇〇の件について、<<内部での問題があって>>、処理がおいつかないので、〆切を――に延長します。大変申し訳ありませんが、ご理解のほどお願いいたします」

 これすごいいい。完璧なリマインダだと思った。

 というのは、「これやってます?」ということをリマインドしてくれる。で、もうやっている人間にとっては関係なくて、やってなくて忘れてた人間にとっては「いい」リマインダになる。問題になる、覚えてるけどやってないクソバカ(俺のことです)に対しても、「やってるか? ああ?」と恫喝するのではなく(昨日きたリマインダメールも別に恫喝はされてなかったけど)、「すいませんこっちの不手際で、ちょっと延長しなきゃあならなくて、ご迷惑かけて……」みたいな感じで来るので、こっちとしても、「ワー〆切が伸びて助かった」「しかも不信感を抱かれていない!」ってなるじゃあないですか。
 より深く考えると、実際のデッドに対して余力をもたせた(であろう)〆切から、さらに1週間前に〆切を設定している時点でより信用されてないことが明らかになるわけですが、そこは深く考えなけりゃあいいことなので。。


 なのでこの、実際のデッドからかなり前に〆切をおいておいて、そんで直前にリマインドを兼ねて、適当なタイミングに〆切をずらしました型リマインドはつねに「いい」リマインドになるんじゃあないかなと思ってますね。どうせ〆切が迫らないと何もできないんだ俺は。

 まあ何回か続いたら学習してしまいそうですけど……。適切な〆切タイミングで提出するということは学習できないのに、「伸びる」ほうは学習してしまうのは終わってんなって思いますけどね。ビジネスマンの皆さんはぜひご活用ください。

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