スピンオフ短編集「はるのあらし」の中に「学園祭前夜」と、本編第52話として「二つのステージ」を公開しました。どちらも、学園祭編の一編です。
今回は、できれば短編集「学園祭前夜」→本編「二つのステージ」の順で読んでいただけるとうれしいです。
本編だけでも話は追えるようになっていますが、前夜のそれぞれの時間と思いを先に通ってから読むと、「二つのステージ」の見え方や温度がほんの少しだけ変わってくると思います。
前夜にあるのは、拍手も歓声もまだない準備の夜の空気です。
クラス展示を作るクラスメイトと莉里たち、眠ってしまうほど疲れているリコ、遅い時間の校舎、帰り道の空気。イベントの前の何気ない時間があるからこそ、彼女たちが立つ二つのステージが、少しだけ重さを持って見えてくるはずです。
そして今回の大きな動きとしては、リベリオンが「ライブハウスではすでに認められつつありながら、校内でもバンドとして立っていこうとしていることでした。バンド活動としては、少し順番が逆のように見えるかもしれません。
ですが、思い出してみると、彼女たちが音楽の世界へ飛び込んだきっかけは学校にありました。自分たちが乗り越えるべきRebellionを果たすべき場所は、ここにあったのです。その意味で、この学園祭はただのイベントではなく、彼女たちにとってひとつの節目になっています。
また、本編の劇の中に出てくる
「未来で待ってて、私たちの未来を奪い返すから」
「歌い続ける」
といった言葉は、ただ劇の中で終わるセリフではないつもりで書いています。
言葉や音が周囲の誰かに届き、少しずつ影響を与えていく。それは観客や関わった生徒たちだけではなく、劇伴というかたちで参加したリベリオン自身にとっても同じです。それは、彼女たちのこれからに対する暗示のようなものになるでしょう。