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【よくわからなかった】せめてパンフくらいは事前に読むべきだったか?

 家族につきあってクリストファー・ノーランのオデュッセイアを観に行ってきました。
 いわゆるトロイア戦争の後日談みたいな内容で、2015年の映画オデッセイとは異なる内容なんですが、主演がどっちもマット・デイモンというミラクルなつながりがあったりもします。
 今その2015年のオデッセイのWikipedia記事を見てるんですが、「排泄物がクルーの中で最も臭い。」とかひどくね?
 ある意味2015年版のほうが面白そうなんですが、それはともかく。

 前評判も内容の予備知識も一切無しで観に行ったせいで、戦争映画だと思って観てたらわけがわかんなくなりました。

 トロイア戦争そのものは増えすぎた人間を減らすために戦争をさせるというほんとカスな発想でゼウスが策略をめぐらして引き起こしたもので、アルテミスにそそのかされたトロイアの王子パリスがスパルタの王メネラオスの妻ヘレネを連れ去ったのが原因です。
 主人公でもある古代ギリシャの島嶼国家イタケ島の王オデュッセイウスを伴ってトロイアに赴いたメネラオスによる妻の身柄返還の要求をパリスは拒否、メネラオスは兄であるミュケナイの王アガメムノンを総大将としたミュケナイ、スパルタ、イタケを中心とする懲罰軍を発します。

 この戦争は約十年間続き、トロイア軍の猛将ヘクトールとアカイア軍の勇者アキレスの戦死に伴ってオデュッセウスが巨大な木馬を作り、その中に兵士を潜ませるというわけわからん作戦を考案します。正直この時点でこいつが知将?とか思ってしまいますが、組み立てた馬の中で溺死した兵士が出たりとかほんとにわけわかりません。木馬を見つけたトロイア軍の兵士たちが戦利品として木馬を持ち帰るのが冒頭のシーンなんですが、この馬なぜか波打ち際に放置されてるんですよ。もうちょっと浜辺から離れたところに置いとけば、少なくとも溺死した兵士はいなかったはず。
 この木馬が浜辺に転がってるのを見つけたトロイア軍がそれを都市内に持ち帰るというとんでもない皮算用の結果、トロイア軍は浜辺に転がっていた木馬をまんまと持ち帰ります。こいつら馬鹿でなかろうか。
 正中線に沿ってキール(船の竜骨)の様なパーツがあり、そこに曲げた板を打ち付けて作られているんですが、この木馬、よく丸太のコロの上を転がして持ち帰れたもんです。そしてアカイア軍の連中がこれ作ってる間、トロイア軍の連中は一度も偵察を出さなかったのか?
 なお、トロイア軍が木馬を都市内に運び込むシーンを描いた16世紀の木版画を見る限り木馬の全高は人間の身長の二倍程度、砂の上なので難儀していますが台車に乗せて運んでいます。
 なお、この木馬がわざわざ城門を破壊してまで城内に運び込まれたのは、イタケ軍の兵士シノンがトロイア軍の兵士に対して「ギリシア人は逃げ去った。木馬はアテーナーの怒りを鎮めるために作ったものだ。そして、なぜこれほど巨大なのかといえば、この木馬がイーリオス城内に入ると、この戦争にギリシア人が負けると予言者カルカースに予言されたためである」というガバガバの言い訳をした結果だそうです。意訳するなら「持って帰れるもんなら持って帰ってみろーい」ということですが、なんでそれで騙されるんだよ。
 この木馬は木版画や2004年の映画トロイのものと違ってフェラーリのエンブレムの跳ね馬の様ないかにも据わりの悪い形で、なんでおまえこのデザインを選んだ?とオデュッセウスを拷問にかけたくなります。
 このガッバガバの作戦はアポロンの神官ラオコーンとトロイアの王女カサンドラによって見抜かれていたのですが、ラオコーンは脈絡無く現れた海蛇によって息子二人ともども絞殺され、カサンドラの言葉はアポロンの呪いによって誰にも耳を傾けられなかったそうです。
 ちょっと待って、ギリシャ神話ではアポロンはトロイア側の味方したことになってるのに、なんでカサンドラちゃんはアポロンに呪われてるの? 答えはアポロンの寵愛を受けて彼から歓心を買うために予知能力を授かったのですが、アポロンの求愛を拒絶して、自分の言葉を誰にも信用されないという呪いをかけられたそうです。神の力による狼少年的な。
 なおこのカっちゃんはアテナの神殿の内部で小アイアースによる凌辱を受け、これにキレたアテナによって小アイアースは帰りの船を沈没させられました。ポセイドンのお情けで岩礁にしがみつくことができたんですが、そこで神様も俺は殺せねぇ!とイキったためにポセイドンも怒らせて、三叉鉾の投擲によって岩礁を破壊されて溺死しました。
 このときアテナとかポセイドンはギリシャの味方をしていたそうなんですが、おまえらちょっとは自分たちの守護神に対して敬意を示せと私は言いたい。
 メネラオスは八年かけてスパルタに帰還、アガメムノンは実の娘を生贄に捧げたことで妻クリュタイムネストラの怒りを買い、帰ったはいいけど殺されてしまいます。ちなみにこのクリュタイムネストラさんはパリスに拉致されたメネラオスの奥さんの実の姉妹です。
 そして主人公オデュッセイアは部下たちとともに沿岸地域で略奪を行いながらイタケに帰ろうとします。ところがその途中で立ち寄った島で洞窟に住んで羊を飼っていた単眼の巨人キュクロプスの住処を荒らし、彼を傷つけたことでその父親ポセイドンの怒りを買い、その後えらい目にあうことになります。
 しかしこいつらアテナは怒らすわポセイドンは怒らすわ、アカイア軍の味方の神様ばっかり次から次へと怒らせて、なにやってんのほんと?

 あとねー、帆の風の受け方がかなりおかしいです。
 OgreとかNosferatu Bloodの帆船の登場シーン、わかってもらえてるかどうかわかりませんが個人的にはかなりこだわっています。だから違和感がわかってしまう。
起業家は「セイレーンの誘惑」の話を心に刻もう(起業家バンク事務局)
https://www.kigyouka-bank.com/blog/column/20200404-7162/
 オデュッセイアに登場する船はこのサイトで紹介されている様な単檣単帆の横帆船なんですが、そのため帆の回転に関してはかなり自由度が高いです。
 横帆船は索具のたぐいが邪魔になって、基本的にあまり大きく帆の角度を変えられません。風上に向かって斜めに遡上する詰め開き(ビーティング)性能も、高いとは言えません。作中に登場する船は檣が一本帆も一枚、ということで索具の配置がシンプルでそこそこ帆は回せると思います。
 が。
 ヤード(横帆を取り付ける帆桁。停泊してるときに竜骨船と直角になってるあれ)が竜骨船とほぼ平行になっとる。その帆の配置が可能かどうかは別として、真横から押されて転覆するぞ。

 その後はどっかの島で脈絡なく変な鎧武者の集団に襲われたり、アイアイエ島のおばちゃんちで人肉を食べさせられそうになったり、部下たちがトリナキエ島で放牧されたヘリオスの家畜を捌いて食べたせいでヘリオスを怒らせて船を難破させられたりして、最終的にオギュギア島に漂着して女神カリュプソによって助けられることになります。そしてそこで七年過ごしたあと、オデュッセウスはペラペラの筏に乗って海へと漕ぎ出しました。
 なおオデュッセウスは神話上では一年ほどアイアイエ島にとどまっており、その間におばさんと関係を持っています。人肉おばさんはこの島でオデュッセウスの子テレゴノスを産み育てるのですが、テレゴノスがイタケに赴いた際にオデュッセウスを誤って殺し、彼の正妻ペネロペとその息子、異母兄テレマコスをおばさんのもとに連れ帰って、おばさんはテレマコスと、ぺネロペはテレゴノスと結婚したそうです。もうわけわかめ。おまえペネロペって少なく見積もっても還暦なんだぞ。

 映画はほぼ全編通してカリュプソのもとでの回想シーンと最終的に異母弟の母親と結婚したテレマコスの視点によってつづられていますが、ゼウスの掟(クセニア)という風習によって話全体が縛られています。
 旅人が訪ねてきたら素性を問わず客として歓待し、去る時にはお土産を持たせなければならない。旅人のほうも受け入れ側に敬意を払い、歓待を濫用しないという掟です。
 作中では旅人どころかイタケの地元民がペネロペとの結婚を求めて家に押し掛け、好き放題に財産を食い潰しており、まるでろくでもない外人どもに難民認定制度を食い物にされる日本の縮図の様な光景が繰り広げられています。とりあえず糖尿病のガーナ人の訴訟が敗訴に終わってよかった。厚かましいんだよボケ。
 イタケの王家もこのゼウスの掟の曲解によってアホどもに食い物にされる被害を受けてるんですが、オデュッセウスたちもゼウスの掟を略奪の口実に使ってるので、まあ人のことは言えません。
 のちに明らかになるんですが、イタケでは海からくる海賊に対処するために新たな権力構造の構築が急務になっています。が、この海賊の正体はゼウスの掟を口実に略奪を繰り返すオデュッセウスたちのことだったりします。
 求婚してきている中にアンティノスという特に態度の悪い男がいるんですが、こいつはトロイア戦争へイタケが出兵する際のくじ引きを冒頭に登場したシノンという兵士に交代させて自分は兵役逃れをしています。テメー旅人どころか地元民だろうが。
 オデュッセウスはイタケでは死亡説が流布されており、ペネロペを娶ればその空いた王位に自分が座れるという理屈らしいんですが、なぜテレマコスがいるのにそうなると思えるのかまるでわかりません。あと当時のアラフォーに何を期待してるんだと小一時間ry
 なんかもうね、観てたら疲れてきました。最後の戦闘シーンだけは面白かったですけどね。

 もう調べてたら余計な情報がじゃんじゃか出てきて悪酔いした様な気分になってきました。あとポップコーン多すぎた。パーティーポップとかいうのをひとりで食べるのは半分が限界でした。
 感想でもなきゃあらすじでもないわけわからん内容になってきたから、とりあえず一言だけ。
 頼むから言語は現地語でやってくれ。

 次は来月のバイオと再来月のゴジラですかねえ。バイオはともかくゴジラはキングギドラが出てくる時点であまり期待してないんですが。怪獣駆除を別の怪獣を利用して行うってのがなんか気に入らないです。 

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