本日0時、第06話「悠真の失踪」を公開しました。
動画は既に切り抜かれ、転載されていました。
そこへ見知らぬ誰かの記憶、憶測、噂、知ったかぶりが付け加えられ、事実ではないものが事実らしい形を取り始めます。
照臣は、その過程を目の前で見せ付けられます。
彼がかつて突き付けられたのは、既に完成した虚偽でした。
しかし今回は違います。
一人の人間が、無数の断片によって別の人物へ作り替えられていく。その過程そのものを、照臣は見ています。
そして、悠真とは連絡が取れません。
個人端末の位置情報は駅前で途切れ、社用携帯とノートPCも通信を停止。会社へ戻った形跡もありません。
悠真は単に連絡へ出られないのではない。
自分の意思で、外との繋がりを切った可能性が浮かび上がります。
クラストロンは緊急対応へ移行します。
動画と転載先の証拠保全。
悪質な特定行為への対応。
外部発信の統制。
警察への非公開での届出。
ところが、美佐子は悠真を助けたい一心で、再び外部へ情報を出そうとします。
悠真は悪くない。
自分が勝手にしたことだ。
息子を見かけた人はいないか。
しかし、その説明を公開すれば、動画、美佐子、悠真、そして悠真の所在不明が一つに結び付いてしまいます。
照臣は強く制止します。
善意の発信が、悠真を救うとは限らないからです。
寧ろ、母親が復縁を迫った直後に息子が姿を消したという、更に残酷な物語の材料になってしまいます。
家族と会社は、美佐子の通信手段を一時的に止め、憶測を排除し、確認できる事実だけを積み上げていきます。
外では、断片から悠真の物語が作られている。
内では、悠真本人を救う為に断片を整理している。
同じ情報を扱いながら、その目的は正反対です。
ただ一つ、明らかになった事があります。
悠真は、見つけて欲しくない形で姿を消した。
ここから始まるのは、炎上への対応だけではありません。
悠真を、生きて連れ戻す為の捜索です。
ここから、悠真の生死を懸けた捜索が始まります。