『黒神話:悟空』で寺院仏閣巡り(妖怪退治)してます。
こんばんは、白玖黎です。本題の前にひとつご報告を。
カクヨムコン10に出していた『格致狂言』が短編部門の中間選考を突破していました!
受験勉強の息抜きに書いていたので何げに昨年一年の集大成とも言える作品……とても嬉しいです!
読んでいただいた方々や応援してくださった方々に感謝申し上げます。
さて、私個人の近況ですが、卒業式を終え、卒業旅行に行くタイミングを逃したということで、時間だけが有り余った悲しき日々を過ごしております。
その間に、読書をしたり執筆したり中国アニメを観たり。
現在は『哑舎』というアニメを観ています(コソッ)
霊力のある骨董品を扱う「哑舎」というお店にまつわる怪異譚です。
中国アニメにしては珍しくライト文芸風で興味深い。
また、幸いお家にPS5があったので、最近は気になっていたゲームをプレイしたりしています。
その名も『黒神話:悟空』。昨年の今ごろ中国で大バズしたアクションゲームです。
なんでも、かの『西遊記』の世界に入り、斉天大聖を目指して修行することができるんだとか。
「評判もいいし、これは中華好きとしてやるしかない…!」と、軽い気持ちで始めてみたのですが、開始早々、ちょっと後悔することになります。
い、いや、妖怪(敵)が強すぎる…
自分で言うのもあれですが、私、3Dのアクションゲームは得意な方なんですよ!
ハイラルは二度ほど救っていますし、テイワット大陸もスメールまで旅したことあります。
そんな私でも妖王を倒すのに数百回も死ぬなんて…!(※決して誇張などではない)
でもこのゲーム、本当に勉強になるんです。翻訳班が有能すぎて。
私は中国語音声&日本語字幕の組み合わせでプレイしているので両者を比較しやすいのですが、何不自由なく日本語でストーリーが楽しめる。
翻訳で特に感動したのが最初の方に登場した広智、広謀というボスキャラのセリフ。
広智と広謀はいずれも金池長老(『西遊記』でお馴染みの…!)の弟子で、広智が兄弟子で広謀が弟弟子。
プレイヤーは広智を先に倒し、変化の術を獲得して広謀に挑むことになるのですが、そこで広智に変化したプレイヤーと対峙したときの広謀のセリフが以下のとおり。
【原文】
「用师兄的刀度我,也算死得其所!」
※白玖黎による意訳:兄上の刀でなら、死んでも構わない!
【プロによる邦訳】
「師兄の刃で死ぬのなら、それもまた本望だ!」
いや、かっこよすぎか…???
というか、師兄は変に訳さずにそのまま使っていいんだ。
やはりプロはプロでした。私もいつかこんな翻訳がしてみたいなあ…
あとあと、影神図(妖怪図鑑)が本当にすごくて。
このゲームの敵キャラは主に『西遊記』に登場する妖怪なのですが、それのみならず一部『山海経』や『淮南子』が元ネタであろう妖怪も確認しています。
それらも妖怪の特徴や物語が日本語で読める図鑑は書籍でもなかなかないのでは…?
それだけでなく、こちらもまた翻訳班のセンスが光りまくっています。
妖怪にはそれぞれ漢詩が与えられていて、なんとその漢詩もちゃんと訳されているのです。
以下は急如火・快如風という妖怪の漢詩。
【原文】
性烈把命烹,痴狂逞乖能。
鼻喷炎漠漠,嘴呼焰腾腾。
举烟风随火,燎原火趁风。
义气值千金,相辅才相生。
【プロによる邦訳】
荒い気性は命取り、いかれ過ぎれば妙技なり。
鼻から炎もうもうと、口から焔ごうごうと。
火に風送り煙立て、風に火添えて焼け野原。
義こそ千金より重し、支え合うこそ百人力。
いや、もうほんとすごい。
学校の教科書のなんちゃって漢詩翻訳とすり替えましょう。←???
そういった翻訳班の語彙センスに惹かれ、とにかく図鑑を埋めるために粘ること一週間。
なんとか第三章までクリアできました。
おかげで中国妖怪の知識もほくほく。ゲームの技術もほくほく。
素晴らしい体験でした。中華好きの方にはぜひプレイしていただきたいなと心から思えるゲームです。
久しぶりすぎてつい語りすぎてしまった…長くなってしまいすみません💦
今回の近況ノートはここまでにしておこうと思います。
ではでは、また次回の近況ノートでお会いしましょう。