今回の第一五章第〇九話「瞬殺劇」は如何でしたか?
主人公である悩める青年テーリ会心の三段攻撃!!
こういう物語が書きたかった第二弾となる構成にしました。
本作の着想元のD&Dには、1ターンに取れる三種類の行動があります。今回のテーリはその三つを余すことなく活用して、監視の魔物「ヒダリー」を瞬殺しました。
因みに三種類の行動とは、アクションとボーナスアクション、そしてリアクションの三つを指します。
アクションは通常の行動です。テーリは高レベルの野伏のため二回分のアクションを持っています。これでロングボウの二連撃を放っています!
ボーナスアクションは補助行動です。今回のテーリは【ハンターズ・マーク】の呪文を唱えて、二連撃に追加ダメージを与える【織の的】を形成しました。
そして、リアクション。これは受動的な行動で、相手の動きをトリガーとして発動できる特殊な行動です。トリガーがない限りは、使用できません。テーリは用意周到にリアクションを発動させることに成功しました。それがトドメの一撃、【ブーミング・ブレード】による奇襲とヒダリーの自滅です。
ネタバレをしますと、リアクションのこの一連の流れをD&Dでは「機会攻撃」と呼びます。通常のプレイでは、相手が対戦者の間合いから逃げようとした時に発生する追撃です。
しかし、今回のテーリの動きはヒダリーとの距離があり、近接攻撃の間合いの外と捉えられる距離でした。そう判断したヒダリーはテーリの罠にまんまとハマったことになります。
テーリはわざと近接攻撃の届く間合いのギリギリ外で立ち止まりました。しかし、実際は【長柄武器】の間合いには入っています。【長柄武器の達人】のスキル及び、機会攻撃に初級呪文を唱えられる【戦場の術師】のスキルを持つテーリは、この距離からの機会攻撃が可能なのです。それを知る由もないヒダリーは、間合いから離れようとしたため、テーリのリアクションのトリガーを引かされたのです。因みにヒダリーがテーリを直接攻撃しようと間合いに入っても、【長柄武器の達人】のスキルは発動しますので、退いても進んでも、どの道ヒダリーは詰んでいたのですが。
そして、今回の機会攻撃の要となるのが、テーリとヘロによって開発された魔法具【姑息の弭槍】です。姑息とは本来は「その場しのぎの」という意味ですので、応急武器である弭槍に相応しい単語です。ところが現代の「姑息」は「ずるい」という意味で誤用されています。今回の攻撃もヒダリーから見たら「ずるい」攻撃ですよね。ですから「姑息」の語義のダブルミーニングというところが、ケレン味あふれるテーリらしい攻撃といえます。
テーリの【魔武威】により、初級呪文【ブーミング・ブレード】の威力を上乗せされた魔法の弭槍はヒダリーを瀕死に追い込みました。そして、「逃げる」という移動を行なってしまったヒダリーは、【ブーミング・ブレード】の呪いとも言える追加の爆発を引き起こし、爆散したというわけです!
実際にダイスを振った上でのこの結末には、一年前に執筆した作者をして、痺れるものでした!!
最後に魔法具【姑息の弭槍】のD&D用データを作りましたので、掲載します。使いたい方はどうぞ!
【姑息の弭槍】または【姑息のロングボウ】
軍用武器 近接武器 射撃武器 特別武器
項目 内容
ダメージ 1d8+1刺突
価格 150GP
重量 5ポンド
射程 80フィート 320フィート
特性 両手 特殊
マスタリー Slow
特殊
この武器は、弓としても槍としても扱う。
この魔法の武器を用いて行う攻撃ロールとダメージ・ロールに+1ボーナスを得る。この武器で行う射撃攻撃は敏捷力修正値を使用し、1d8+1刺突ダメージを与える。
この武器で行う近接攻撃にも敏捷力修正値を使用できる。
その近接攻撃は1d8+1刺突ダメージを与え、間合い10フィート(3メートル)を持つ。
あなたのターン中、この武器で射撃攻撃を命中させた後、同じターン中にこの武器で行う最初の近接攻撃が命中したなら、対象の移動速度はそのターン終了時まで10フィート減少する。
フレーバー
正面から勝たずともよい。生き残るための間合いと機を知る者だけが、この弓の真価を引き出せる。