ある日、君は──君たちは、僕の前から姿を消した。
生まれた時からずっと一緒だった君は、いつも、どんな時も側にいて、僕を支えてくれた。
嬉しくて堪らない甘い小春の朝も、茹だるような晩夏の昼下がりも、泣きたくなるような静かな冬の夜も、一番近くにいた君。
時にはぶつかりお互い傷付け合ってしまったこともあったけれど、すれ違ってばかりでちゃんと向き合うことが出来なかった時もあったけれど、手だけは離さず繋いでくれていた君。
けれど……歳を重ねる毎に、忙殺される度に、君とは次第に疎遠になっていった。
毎日がどれだけ辛くても、君の存在があったから頑張ってこれたのに、君がいなくなってからの僕は、なんだか抜け殻みたいでさ。
君を思い出す度に、涙が止まらないんだ。
どれだけ君を想っていても、日々離れていってしまう君の心が、僕にはひどく寂しいものに見える。
僕は、どうすれば良かったんだろう……。
もっとちゃんと、君を見ていれば、君は僕の元を去ろうとはしなかったのかな。
でも、君が幸せになる為に僕を捨てると言うなら、僕は君の幸せを応援するつもりだ。
僕の愛しい君──
どうか、苦難の果てに幸がありますように。
さらば、僕の愛しい髪の毛たちよ──!