ご無沙汰しております、甘木智彬です。
あっという間に10月ですね。灼熱の夏が過ぎ去ったかと思えば、早くも冬の気配すら感じるほどに、肌寒い日々が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。
前回のジルバギアス更新から長らくお待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした! 以下、近況や今後の展望などをつらつらと書かせていただきます。
【目次】
・祖母の介護、始まる
・書籍6巻、コミック4巻出ました
・コミカライズ連載終了のお知らせ
・今後の展望
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・祖母の介護について
560話のまえがきで軽く触れた通り、今年の頭から祖母の介護が始まりました。実は去年くらいから、なんだか祖母の言動がおかしいとは感じていたのですが、高齢ゆえ『普通に』耄碌してきたものとばかり考えておりました。
が、蓋をあけるとアルツハイマー。お医者様いわく、「年齢的に仕方がない」とのことでした(92歳)。スカスカになってしまった己の脳のMRI画像を見て、わかったような、わからないような、物悲しげな祖母の表情がひどく印象に残っています。
現状、祖母は正気を保っているときと、認知機能が著しく低下するときを反復横跳びしているような状態で、その頻度が徐々に狭まりつつあります。ハッキリしているときは論理的な会話も可能で、症状にも自覚があるほどなのですが、ヤバいときは徘徊などの異常行動もあり、油断できません。
ただ、この頃はデイサービスで日中預かって頂ける時間が増え、先日要介護の認定も下りましたので、土日のどちらかも施設でケアして頂けるようになっていくと思います。
マイナスが限りなくゼロに近づくよう支えてくれる、社会保障のありがたみに感じ入る毎日です。そして、ゼロに向けて押し上げてもらったからには、それをプラスに転じるべく、何らかの形でお返ししたい、社会に還元したいと感じるようになりました。こんな私に何ができるかといえば、やはり、小説を書くことです。これらの制度で生じた余裕は、物語を紡いで、皆様に楽しんでいただくことで恩返ししたい、と、言語化すると少し大袈裟ですが、そんなふうに考えております。以前ほど伸び伸びとは書けないかもしれませんが、一歩一歩着実に、完結に向けて歩みを続けていければと思いますので、どうか皆様、温かい目でお見守りいただければ幸いに存じます。
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・書籍6巻、コミック4巻でました
そんなこんなで精神的にあまり余裕がなく、ロクにアナウンスもできませんでしたが、書籍とコミックが出てます! 書籍挿絵の輝竜先生、コミカライズのニトラ先生が魂をこめて素晴らしいイラスト制作&作画をしてくださいました。輝竜先生、ニトラ先生、本当にありがとうございます……!(ロクに宣伝できてなくて申し訳ございません……!)
書籍はオリジナル展開を織り交ぜつつ、キリのいいところまで書かせていただきました。けっこう展開は変わってると思います。裏を返せば、WEB版とは違う世界線に分岐しておりますので、今後WEB版で「ぬぁァん……!」となるような事態が発生しても、「まあ書籍は世界線違うしな……」と気を取り直すことで、読者の皆様の脳を保護できるのではと期待しております。ちなみに私はハッピーエンドが好みです。ハッピーの定義は人それぞれかもしれませんが。(頭)ハッピーエンドではありませんよ。それに関してはご安心を。
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・コミカライズ連載終了のお知らせ
上記に関連して、残念なお知らせです。コミカライズは4巻で連載終了となりました。関係者一同、つまり原作者たる私も、作画のニトラ先生も、担当編集氏も皆やる気満々だったのですが、……売上が少し厳しかったです。
原因のひとつとして、昨今のコンプライアンス事情により、ジルバギアスはほとんど広告を打つことができなかったことが挙げられます。WEBベースのコミックにおいてそれがどれだけクソデカデバフかは、言及するまでもないと思います。
要約すると『やっぱりコンプラには勝てなかったよ……』です。原作者として反省点を挙げるならば、まず、コミカライズに際していろんな意味で露出の多いアンテはロリキャラからバインバインのお姉さんキャラに変更するべきでした(ロリは広告が打ちづらいため)。今のコミカライズ版アンテも大好きなんですけどね! コミカルな動きやメス◯キ的な言動は、現状のビジュアルのアンテにしか出せない魅力です。しかしニトラ先生がナイスバディな美女の作画を得意とされている点を踏まえれば一考の余地があった、と今となっては思います……! 2巻発売記念の特別編で登場したナイスバディアンテ、めっちゃ良かったんですよね……
また、ダルマ洗脳ヒト犬の存在も少々厳しかったように思われます(ダルマ洗脳ヒト犬は広告が打ちづらいため)。せめて手足は生やすべきだったかもしれません。
ただ、皆様が『そんなの今さらかよ!』と仰っている通り――聞こえております、画面越しに皆様のお声が――これらの難点は最初からわかっていたことでもあります。思ったよりキツい壁に当たって砕けたことは事実ですが、それでもGOサインを出してくださったガルド編集部の皆様、コミカライズに至るまで本作応援してくださった読者の皆様、そして何より、この修羅の道にお付き合いくださったニトラ先生には、どれだけ感謝してもしたりません。改めて、御礼申し上げます。
こと、昨今の表現規制の風潮なども鑑みると、ジルバギアスの一番ヤバい部分(序盤に持ってくんなそんなもん)が商業ラインに載った、というのは、表現の自由の観点からは輝かしい禁忌的マイルストーンと言えるのではないか、……と個人的には考えております。ただし、商業の世界に漕ぎ出すからにはもうちょっと諸々考慮するべきだったのでは、という考え方もあり、このバランス感覚は次回(があれば)活かしていきたいと思います。
また、皆様におかれましては、誠に勝手なお願いですが、紙版のジルバギアスを見かけた際は、ご購入を検討していただけないでしょうか。魂を削ってキャラデザ&作画してくださり、背景、風景、服飾や種族、主要登場人物に引けを取らない魅力的なサブ&モブキャラを生み出して、拙作の世界観を拡張してくださったニトラ先生を少しでも応援したいという気持ちはもちろんのこと(本当にありがとうございます。神。)、昨今の風当たりの強さから、割とガチめにいつ読めなくなってもおかしくないな……と感じているからです。仮に、創作で諸々が規制されることとなれば、拙作は真っ先に消されるタイプの作品です。ぜひ、皆様のお手元に、「かつてこんな尖った作品が出版されていた」という証を、残していただきたい、と……原作者としての、お願いです。また、紙版の特典として、カバー裏に4コマ漫画があったりします(3巻を除く)。特に4巻はラストということもあり、ニトラ先生が限界を振り絞ってめっちゃ豪華なデフォルメキャラをオールスターで描いてくださっているので、控えめに言って神です。どうかよろしくお願い申し上げます。
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・今後の展望
冒頭の内容と重複しますが、今後の活動方針についてです。現在私は、カクヨムの有料版サービス「カクヨムネクスト」で、ガンズ・ネメシスというボーイミーツガールなガンアクションを連載しております。こちらは最低でも月10話を納品する契約となっているため、可能な限り、優先的に執筆しておりました。(祖母がヤバいときは無理でしたが……。)かなりキツく感じるときもありましたが、カクヨム運営の編集氏の叱咤激励もあり、『書く習慣』を喪わずに済んだと、今となっては感じております。(その節は諸々ご迷惑をおかけしましたが、ありがとうございました……!)
ひとまず、ガンズ・ネメシスは展開が佳境を迎えつつありますので、第1部完のところまで駆け抜ける予定です。ガンズネメシスの連載を維持しつつ、ジルバギアスを合間合間に更新。ガンズネメシスが一区切りつけばジルバギアスにまた全力投球、という形が今のところの展望です。
正直なところ、祖母の件や、それにまつわる諸々の申請・手続きなどで、常に脳のリソースの一部が占有されている感覚があり、思うように『想像力の翼が羽ばたかない』問題を抱えておりました。加えて、特にジルバギアスは、直近数話のアダマス打ち直しが我ながら会心の出来で、次回更新への期待値が自分の中でも高まりきってしまい、なかなか満足がいくものが書けませんでした。
けど、なんか慣れてきましたね! 状況に! 時間はかかってしまいましたが、適応しつつあるのだと思います。とはいえ祖母が良くなることはもうないので、また躓く日が来るかもしれませんが、精神的にキツくても、「書けねぇ」となっても、『何か書きてぇ』という欲求そのものは消えなかったという事実は、私にとって救いであり希望でもあります。
長々と書いてきましたが、結論、『ジルバギアスの完結を目指して頑張るぜ!』という所信表明です。そのためには、私自身が死なずに健康を維持すること、ちょっとずつでも書き進めること、この2点を念頭に活動を続けて参りたいと思います。
最後に、先ほど更新してからSNSやコメント欄を拝見しているのですが、「待ってた」「更新うれしい」というお言葉が、本当にありがたく、沁みます。ありがとうございます……! ご期待に応えるべく、(心身を壊さないよう気をつけつつ)頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
甘木智彬