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今日、7月14日はヒースの誕生日!

読み専の皆さま、フォロワーの皆さま。いつも拙作をご覧くださり、本当にありがとうございます。

本日は、拙作「青い疾風!」シリーズの主人公、ヒースの誕生日にあたります。

現在、絶賛クライマックス中ではございますが、本来なら以下のような誕生日会が行われていたかもしれません。

ということで、珍しくSSを作ってみました。

場合によってはネタバレになるかもしれませんが、もしよろしければどうぞ・・・。

********************

 その日、ヒースは護衛隊駐屯所の隊長会議でヘロヘロになるまで絞られていた。

「ったくよぉ。クロードのやつ、会議は長ぇし、俺の〝せきそく〟をイチイチ細かく聞きやがる」
「ヒース、それ〝足跡〟ね、そくせき!」

 ジェシカが腰に手をあててツッコミを入れた。

「母ちゃんか!」
「あたしがいつあんたの母ちゃんになったのよ!」
「違ぇ! 俺はクロードのことを言ったんだ!」

 そんな話をしながら、帰路につく。
 もうすっかり空は夕暮れの色に包まれている。
 馬車の御者台で話をしているうちに到着だ。

 アバロン——。

 ここはヒースにとって、初めての親友となったミツヤが独りで済んでいた廃墟をリフォームした6人の住居がある街だ。
 街といっても、数年前に異形獣(まもの)に滅ぼされ、猫の子一匹住んでいない土地であるため、ここを訪れるのはこの6人しかいない。
 当時、裕福な者たちであふれていた街も、瓦礫と化していたが、このシティーホールだけは無事だった。

 「ただいま!」

 玄関の重厚なドアを開けると、大広間がある。1階の2つの部屋は男部屋に、女子部屋は2階にあつらえている。
 幅広の階段はカーブを描きながら2階に繋がっている。

「ジェシー、誰もいねぇみたいだぜ?」

 いつもなら、吊り下げ型のロウソク台、壁のブラケットなど至る所に灯りがともっているはず。それがところどころ消えて、薄暗くなっていた。

「変ね。まだ夕方の6時前よ。寝てるわけないし」

 そう言いながら、ジェシカは暗がりでニヤニヤしている。ヒースは向かって右側にある男子部屋——ミツヤと2人で使っている部屋のドアをそっと開けた。

「ミッチーもいねぇか」

 反対側の男子部屋、アラミスとドクが使う部屋はドアが開きっぱなしで気配はない。

「…………ジェシー、ちょっと下がってろ」

 ヒースはがらんとしたホールに物音ひとつしない様子に腰を落とし、炎斬刀の柄に手を掛けた。目だけを左右くまなく動かす。
 その時だった。

「――今だッ!!」

 パンッ! パンパンパンッ!!

 突然、大量のクラッカーが炸裂。

「誕生日おめでとう――っ!!」
「うおおおおっ!?」

 ヒースは完全に敵襲と勘違いしたまま反射的に前へ跳び、炎斬刀を抜き放つ。

「誰だ! 姿を現せ——っ!!」
「違う違う違う違う!!」

 と、2階から階段の手すり越しに下を覗くミツヤ。全員の手にはルエンドが火薬を調合した手作りクラッカーから紙テープが飛び出している。紙吹雪がホール中を舞った。

「あ——」

 ようやく状況を理解したヒースは、刀を持ったまま固まる。そこへ紙吹雪まみれになったドクが苦笑いしながら階段を降りてきた。

「ふう、危うく主役に斬られるところだったよ」

 続いて降りてきたアラミスはテキパキと部屋中の灯りを付け始める。

「だから俺はヒース相手にサプライズ止めようっつったんだ」

 そこへルエンドが後ろに手を組んで勿体ぶった風に切り出す。

「ヒース、ね、何か匂わない?」
「……そういや懐かしい——あ、この匂い!」

 すると奥の厨房から六三郎が大きな鉄板を抱えて現れる。

「主役は腹ペコだと思ってな。今日は特製だ」
「六ジイじゃねぇか! いつこっちに?」
「2時間ほど前じゃ。いや、六さんと呼べと言っとるじゃろうが」

 鉄板いっぱいに広がる巨大なお好み焼き。それはヒースとミツヤの大好物、香ばしく炒めたそばがぎっしり詰まったそば入りだった。

「うおおおおおっ!! 六ジイ! 神いぃぃぃッ!!」

 ホール中央にテーブルを用意し、熱々の鉄板を置ける木の板を敷くと小さなロウソクを巨大なお好み焼きの周辺に17本立てた。

「さて、ヒース。お前も17じゃのう。全部消せるか?」
「ちょろいぜ」

 ヒースは大きく息を吸い込むと、ふ——っと端から順に火が消えるよう息を吹きかける。みんなの拍手で誕生日パーティの始まりだ。

「早く食べようぜ!!」

 待ちきれないヒースが身を乗り出す。

「よし、ヒース、お好み焼き入刀だ」
「任せろ!」

 ミツヤに促されると、ヒースは当たり前のように勢いよく炎斬刀を抜いた。

 シャキンッ!

「ちょっと待てぇぇぇ!!」

 勢いよく手を伸ばすアラミス。

「誰が刀で切れっつったァ!?」
「なんだよ。俺の腕を信用してねぇのか?」
「腕じゃねぇ! 衛生面だ! ヘラあるだろ、ヘラ!」

 と、鉄板の横を指差す。

「そういやヒース、炎斬刀、手入れしとるのか?」

 隣に立つ六三郎は思い出したように問いただす。

「毎日拭いてるぞ」
「待って2人とも。論点はそこでいいの!?」

 と、今度はルエンドが身を乗り出す。どうしても気になることがある。

「その刀、最後に何斬った?」
「トカゲ型の異形獣、タイプ3」
「その前は?」
「蜘蛛型のタイプ5」
「その前ッ!」
「……ターミナいてぇ! 何すんだ!」
「女子の前で食事前に出す名前じゃねぇだろ!」
「待って、今サラっと怖い名前だそうとしてなかった?」

 ジェシカが青ざめた顔で指摘すると、ルエンドはお好み焼きの端へ指を差す。

「……今、ここちょっと切ったわよね!?」
「あ」

 ヒースも刀とお好み焼きを見比べる。

「でもちゃんと|異形獣《まもの》は生きたまま本部へ届けたぜ!」

「今聞いてるのそこじゃないからぁぁぁ!!」

 ジェシカとルエンドのツッコミが見事に重なった。

 ——こうして、ヒースの誕生日会は始まったのだった。

 おしまい!

失礼いたしました!
今後ともヒースと仲間たちをよろしくお願いいたします!!

14件のコメント

  • ヒースおめでとう!

    って、やっぱり誕生日とかちゃんと設定しているのですね~。
    ……私は全然やったことがない(汗)。
  • ヒース、誕生日おめでとうございます!

    本編が今まさにクライマックスで大変なことになっているので、こういう日常のショートショートが読めるの、すごく嬉しいです♬
    ミッチーもちゃんといる!!

    わーい!
    大サービスだー\(^o^)/

    クラッカーを鳴らした瞬間に炎斬刀を抜く主役(笑)
    あぶなかったですw

    ルエンドの手作りクラッカーという時点でちょっと火薬の心配をしてしまいました。
    平和なはずなのに微妙に危険が混ざっている(≧▽≦)

    そして六ジイのお好み焼き!
    うう……やばい、おなかすく!!

    そして、炎斬刀で最後に何を斬ったか問題www
    笑います、おもしろいなぁ~

    改めて、ヒースお誕生日おめでとうございます!
    こうやってお祝いしてもらえて、幸せですね♬
    絶食頑張ったから、しっかり食べてほしいです、

    これからもヒースみんなを応援しています!
  • まさかの、お誕生日でしたかッ!!!

    おめでとうヒース!!
    早く、最新話まで追いつきたい……でも、なんだかちょっと嬉しいネタバレを頂いたような気持ちです🍀

    色んな意味で、ホッとしております!!!

    未来で、ちゃんと会えるんだとッ!!!

    おめでとう、ヒース!!!

    そして、素敵なSSをありがとうございました🎵
  • Ash さま

    こちらへコメントありがとうございます!

    誕生日の設定をしたのは、実は企画主さんの質問に答える機会があったからなのです。それまで、考えたこともなかったです!笑

    でも、結構みなさま設定されてる方いますよね・・・!

    お祝いのことば、ありがとうございました!
  • 晴久 さま

    わざわざお越しいただき、感想までありがとうございます!

    そ、そんなに喜んでくださるとは思わず、飛び上がるほど嬉しいです!

    自分はどうもSSが苦手でして・・・師匠を見習わなければ。
    いくらでも出てくるそうですよね。

    実は、このSS、以前プロフィールを公開した時、晴久さまから「ヒースの誕生日が一番近いな」というコメントを頂いたことがございまして。
    それで、ああ、SSでもやろうかなとその時漠然と思いついたのです。

    「平和なはずなのに微妙に危険が」フフッ、なぜか自分がSSやるとどうしてもこういうの混ざってしまいます。

    なにかオチつくらんと、と思って結局、刀何斬った問題に。
    しょーもないSSですが、少しでも気分転換できたなら、作った甲斐があったというもの。

    沢山感想ありがとうございました!

    ・・・絶食頑張りましたからねぇ。

    最終回にむけて、あと少し、頑張ります!

    いつも応援ありがとうございます!
  • 梨藍 さま

    いつもお読み頂いているのに、こちらへもお越しいただきありがとうございます!

    しょーもないSSですが、梨藍さまからすると、いくつかネタばれてしまいましたね!

    でも、嬉しい結果になっているなら、よかった!

    はい、第二部では更に熱量を上げております。
    これに懲りず、ゆるりと追っていただければと思います。

    いつも応援ありがとうございます!
  • 🎊お誕生日おめでとうございます🎉

    某所で私のコメントを楽しんでいただいてあられるようですね✨️

    🐧:ピース、今本編がヒートしてるけど、
     誕生日おめでとう!

    ヒース:ピースは平和だったよな、ヒートは……。

    ミツヤ:うん、ダメだね、ヒートは熱ね?
      多分、ヒートアップの略なのかな?

    🐧:雷怖いからアースしてから話すけど、
     今回みたいな誕生日を祝うケースは珍しいよね?
     私が見逃してたのかな?

    ミツヤ:訳しにくい! 避雷針でもなくて、
     事例でもなくてヒースね!

    🐧:取り敢えずお好み焼きにはソースだよね?

    ミツヤ:それはそうだねっ!!
     
    🐧:チーズとナス、蓮は入ってる?
     マヨはムース仕立てかな?

    ミツヤ:もうなんとなくしかあってない!?

    ヒース:……?

    ミツヤ:こっちは理解してない、だ……と?

    🐧ニヤニヤ
  • ナナシ(仮) さま

    ひゃー!!
    これですうううううっ!!
    そうです、某所でのナナシ(仮)さまのコメント、楽しみにしてるんです笑!

    それをここでも披露くださった!!
    やったー!

    このナナシ(仮)さまのSSの方が面白いって切ないけど嬉しい!

    ヒースが全然分かってない感じが、ヒースらしくて好きです!

    「雷怖いからアースして」とか、ソースを出してくるあたり、センスがナイス!
    そう、今回みたいに、誰かからリクエストもないのにSS発表するって珍しいです。基本、自分はSS苦手なので。

    お忙しい中、ヒースへ誕生日のお祝いコメントをありがとうございました!
  • ヒース、誕生日おめでとうございます〜✨🦀🎂

    そしてナナシ(仮)せんせがここでも某所のように名前いじりを🤣

    差し支えなければ、7/14を誕生日にしたきっかけなどあれば秘話を教えてくださいませ。
    うちの主人公も誕生日決めねばと思ってはいるのですが、適当に決めてよいものかと悩んでおります。
  • KaniKan🦀 さま

    こちらへお越しくださり、嬉しいです!!
    ヒースもめっちゃ喜んでおります!!

    そう、ナナシ(仮)さまが、ここでヒースいじりをしてくださいましたー!!やったぁ!

    誕生日の設定ですね。
    適当でもよろしいかと思いますが、自分の場合、忘れるといけないので、ある程度関連づけております。

    なぜ、ヒースを7/14にしたか。
    まずそもそも、当初は誕生日設定などはしておりませんでした。

    ことの始まりは、とある企画主さんの自主企画に参加したことから端を発します。

    それはバディに質問する企画でした。
    お互いにキャラどうし質問をさせ、個性を引き出す、というとても有益な企画でした。
    そこで誕生日を覚えてるか?と問う場面がありまして、
    「誕生日か、決めてもないな」ということで設定することに。

    まず、拙作の舞台はフランス(似)です。
    ※似ていることにも理由があるのですが、ネタバレになるので今は飛ばします。

    ①まずはヒースの性格を考え、星座を調べます。7月から8月生まれが妥当だということがわかりました。

    ②フランスといえば、フランス革命。革命記念日にしよう。それなら忘れないな。という流れできめました。

    ③あとは他の主要メンバーも、性格からおおよその星座を検索し、何月生まれかを考えて、10月なら体育の日とか、1月なら元旦とか、12月なら討ち入りの日(なぜ?笑)、など覚えやすい日にしております!

    参考になりましたでしょうか?

    ヒースへお祝いの言葉、ありがとうございました!
  • 誕生日の設定の仕方、すごい参考になりました!
    確かに適当に決めたら絶対忘れますね。忘れにくい日に設定するって大事かもしれません🦀✨
  • KaniKan🦀 さま

    そうですか!? こんな回答で良ければいつでもまた質問ください。
    サードだと何月生まれだろう・・・。
    かに座?
    ヒースもですが、男子の場合、仲間想いなのだそう。それでかに座にしました!
  • ややっ!?見落としておりました……!
    遅ればせながらヒース、お誕生日おめでとうございます〜!!
    みっちーもパーティーに参加していて、なんだか、良い結末が待っていそうな予感……!
  • 月兎耳 さま

    うわ! こちらへお越しくださり、ありがとうございます!
    そうなんです。
    本当はこの日には最後の闘いも決着がついている頃だったはずなのに。
    まだ彼ら、絶賛大暴れ中でして・・・。

    SSでお誕生日会をしてしまいました!笑

    いつも応援ありがとうございます!
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