文乃綴

女の子が骨壺からやってきます。

黒髪でツリ目で好きな本は｢ヴィヨンの妻｣で内弁慶の女生徒と、ヒョロくてくせっ毛で3ヶ月床屋行ってなくて過去にモテようと思って楽器始めたけど二週間で辞めて、家のクーラーぶっ壊れて不…

(本文より)おそらく昨日、凍えそうな夜の底に赤子を見た。その時はただの幻覚に思えたのだが、一日が経ち記憶を冷静に分析してみると、赤子を覆っていた靄が晴れ、奇妙な現実味を帯びてきた…

五万文字の完結作品です。文藝賞落選作です。 阿瀬さんが各種文学賞一次選考を通過できるよう、励ましのお便りを出そう。

　都内の私立中学に通うわたしは、ごく普通に生活しているつもりだったけれど、どうしてもそれは建前で、本音では欺瞞だらけ。人並みに恋愛もしているが、あいてはネットで知り合った冴えない…

１０年近く前に大学の卒業制作で書いたもの。 女子大生５人を中心とした群像劇。 全６章。 文藝賞２次予選通過、３次落ち。

　精神科医の”私”は、心に傷を負った子供たちが収容される病院に勤務している。 　”椿”・”菫”と名乗る2人の少女の担当となった”私”は、治療プログラムの傍、彼女たちと交流を重ねて…

バブル景気の波に乗り、巨大な財を成した暴力団、東堂会。暴対法の施工後、締め付けが強くなっていく中、東堂会会長東堂浩次は暴力から足を洗うことを決意する。だが、それに反発し、会を抜け…

※ 2021/9/3 改稿版 公開 【殺伐感情戦線：第17回 お題「雨」】 　戦争によって空が青を失った世界。 　”私”は友人の花雨と肩を寄せ合って日々を過ごしている。親を亡く…

【TOBE工房：第63回「橋」】落選供養 　”僕”と友人のアナイは、終末汚染を生き延びるために建設された移動都市『隔離都市』で暮している。もう何年も前に他の都市は滅びてしまって…

　彼と初めて顔を合わせたのは四月の終わりで、それでも思い返せばそれは見覚えのある顔ではあった。つまり四月の終わりに彼と出会ったその時は、華にとって彼をその目に映した最初の瞬間では…

　六月。 　和久田徹はパルタイを名乗る二人組から突然の訪問を受ける。男は他のパルタイの追撃から昏睡状態のジーボーグを守るべく、強力な《超常》の力を持つ和久田との共闘を願い出た。な…

何度も何度も繰り返される朝食と死の中、二人の男と女は様々な場を移動し続ける。列車は空を飛び、地底から別の人類が現れる。二人は何処へ向かい、世界はどうなるのか……。

壺中天の”壺”と”葫”や”瓠”すなわちひょうたんが同義であるということから掌編を一つ書いてみました。

古代、神々との戦いに敗れ、地獄に繋がれた巨人達。その巨人達がこの現代に蘇り、人間達を蹴散らしながら行進していく。そんな彼らの前に一人の人間が立ちはだかる……。理性を武器に不条理に…