【術式事典】
Version: 1.0
0. 目的
こんにちは、霧間レイと申します。
本作根幹部分である術式(魔法のようなもの)が少々分かりにくい為、
本事典は《Code:Null.Refrain》内での設定を、
要点→実用の順で整理しました。
本文をお読みいただく際に、参照していただけるとより理解していただけるかと思います。
1. 超要約:ジ・アストラルテクノロジーとは?
《The Astral Technology》(精神応用物理学技術)
定義:人間の「感情・記憶・意志・夢・魂」といった非物理レイヤを構文化し、装備(ギア)と演算で現実へ作用させる技術。
運用:術式は「構文(コード)」として展開し、危険度を分類コード(α〜Ω/特例:θ)で管理。
副作用:過負荷時に「精神汚染」「術式暴走」「記憶混濁」等が発生し得るため、MN/AN/NSの3指標でモニタリングする。
魔法のように呪文を唱える力ではなく、
人間の内面(感情・記憶・意志)を“数式やコードのように変換”して使う技術。
2. 術式体系(5系統の基礎)
① 情念系《エモーション / Emotion》 … 感情強度で事象を駆動(熱・衝撃・遮断の起点)。
② 記憶系《メモリクス / Memorix》 … 記憶・時間断面への干渉(追跡・再生・接続)。
③ 意志系《ヴォルンタス / Voluntas》 … 意志で存在を固定・防御・同調(安定・封鎖・予測)。
④ 夢幻系《ノクターン / Nocturne》 … 夢・無意識領域の投影・浸食(幻視・可塑化)。
⑤ 魂律系《アニマ=コード / Anima=Code》 … 魂の位相・構造へ干渉(再構築・転写・共鳴)。
【命名ルール(正式構文)】
【系統】 : 【術式名】_【分類コード】
例)Voluntas:QuietObservance_θ(意志系・観測静域/特例θ)
【代表術式・用語(作品頻出)】
- Voluntas:QuietObservance_θ(クロエ)
特例θ=封印候補の例外運用。空間安定化と情報封鎖結界を展開し、「音(情報)」を静寂化して観測を優先。
リスク:長時間展開で意思硬直→判断の柔軟性低下。
- Memorix:Soul=EchoLink(ユイ)
魂律残響(Echo)へ接続し、最終記録や痕跡にアクセスする記憶系上級術式。
リスク:感情共鳴によるMN低下/記憶混濁。
- NullLink(ユイ)
“定義外(Null)”層と一時的な通信・共鳴を確立する概念的リンク。
リスク:観測不能領域(Ω-5)由来の位相ノイズ→AN・NS急変。
3. 分類コード(α〜Ω/特例:θ)
α〜γ:低〜中位。実務・日常運用可。
δ〜ε:中上位。訓練者向け、補助必須の場合あり。
ζ〜λ:高位。危険管理下での運用。
μ〜ω:最上位。軍規格・特許術式・封印候補域。
θ(特例):封印候補術式を制御下で例外展開。監督権限と記録必須。
Ω:禁忌領域。Ω-5は緊急遮断でも対応不可の代表領域。
4.術式発動の基本設計
術式は「意志(心)→認証(ギア)→構文選択→演算展開→確定投影」の順に段階化され、発動手段は複合(身体ジェスチャ+グローブ入力+視線/念動トークン+HUD承認など)である。
単一の物理操作だけでは起動しない設計(多要素認証)で、安全性と演出を両立する。
1) 発動の段階フロー(詳細)
①イニシエーション(意志トリガー)
•術者が「発動しよう」という強い意志を持つ(Voluntas 値や感情閾値が関与)。
•記憶トリガーや感情ピークが自動起動条件になる構文もある(Emotion系、Memorix系)。
②生体認証&デバイス認証(多要素)
•グローブ/腕時計/HUD/メインギアが同時に使用者ID・魂律波形を照合。
•ASTRA-COM認証チップ(或いは機体許可)がOKでなければ発動不可。
※|ASTRA-COM《アストラコム》――術式技術を認可・監視する中央機関。(The Astral Technology Regulation&Communication Bureau)の略称。
すべての術式デバイスと構文開発は、この機関の認証下にある。
③構文選択(UI操作 or 思念選択)
•HUDホログラム上で候補を視認→指先ジェスチャ選択、あるいは「思念コマンド」(術者の固有脳波パターン)で選択。
•高度構文は補助AI(ギア内)との協議プロセスが入る(ζ以上)。
④演算待機&安全チェック
•ギアがMN/AN/NSを評価。閾値を超えると補助提案(薬剤注入)か遮断準備。
•干渉や複数術式競合を検出したら自動で「同調抑制」か「拒否」。
⑤展開(発動)
•確定ジェスチャ(グローブスワイプ、掌の押し出し、太腿のボタン等)で最終確定。
•術式が物理空間に投影される(光学・アストラル波形・ルーン等)。
⑥維持 or 終端
•継続術式は意志維持またはギアの電力供給に依存。遮断条件や自動終了ルールあり。
2) 具体的な発動手段(実装パターン)
A. 指先ジェスチャ+グローブ入力(標準)
•最も一般的。指の動きが文字列的に構文を描き、グローブが導電・符号化してギアへ送る。
•演出:指の軌跡が光となって宙に文字を描く。
B. HUDホログラム選択+視線確認
•HUDに候補が出る → 視線で選択 → 指先で確定。
•演出:目元の反射とホログラムの反応で緊張感を出す。
C. 思念(脳波)コマンド / 無音起動(上位者向け)
•訓練済み術者や魂律変異者のみ使用可能。念だけで選択→発動。
•非常に危険、誤発動の演出効果が強い。
D. 記憶再生トリガー(Memorix系)
•特定の記憶を再生することで構文が再構築され自動発動。
•演出:記憶映像と術式が同時に露出、情感的なシーン向け。
E. 物理トグル(ホルスターのスライド / 腰ボタン)
•素早い戦術起動用。だが単独では安全性が低い → 常に多要素認証(本人ID+ジェスチャ等)とセット。
•F. 薬剤・アイテム起動補助
•投薬(STX-B等)や注入で一時的に許可される構文。薬剤は「条件緩和」や「閾値拡張」を行う。
3) 安全機構(必須)
•多要素認証(魂律・生体・ギアIDの同時合致が必須)
•閾値モニタ(MN/AN/NS):自動で遮断・薬剤提案・セーフモード遷移
•遮断構文(Fail-Safe):強制遮断や念動キャンセルを即座に放つ共鳴信号
•ログと追跡:ASTRA-COMへ使用ログを自動送信(違法操作は追跡対象)
4) 階層別(分類コード別)の発動制約例
•α / β(低〜中リスク):ジェスチャ+HUDでOK。補助無しに安全に運用可能。
•γ / δ(中〜高):生体同時認証+薬剤推奨条件が入る。MN > 65%など閾値条件。
•ε / ζ(高リスク):補助AIと二段承認、時に外部監視(IIC)または中央認可が必要。NCCSの補助不可領域設定あり。
•θ / λ / Ω(封印・禁忌):原則使用不可。実験室監視下でのみ限定的に「制御下展開」。
5. 指標 MN/AN/NS(HUD表示ルール)
MN(メンタルノード/ 精神律):心的安定・集中力。
AN(アニマノード/ 魂律残量):魂エネルギー残量・位相整合。
NS(ニューラルストレス / 神経応答値):神経ストレス・過負荷度。
【標準スケール(%)】
安全:80–100
注意:60–79
警戒:40–59
危険:0–39(要:投与 or 遮断判断)
【アラート&UI演出】
・表示:%数値+バー(緑→黄→橙→赤)。
・サウンド:ナビ音声なし/警告音のみ(段階で短→長→断続)。
・補助提案の例:
- MN 42%(急降下)→ STX-B 投与推奨
- AN 38%(位相乱れ)→ AS-01 / 遮断選択
- NS 76%(過負荷)→ NS-Z / 動作遅延注意
・強制遮断トリガ(雛形)
- MN<35% または AN<30%、かつ NS>75%が10秒以上持続 → 「緊急遮断術式:確認→実行」
6. 緊急遮断術式
目的:暴走や逆流から使用者と周囲を保護。
副作用:
短期:倦怠・空白感
長期:構文断片の残留(再起動時に誤爆リスク)
Ω-5条件:遮断しても観測不能の外部因子が残る場合、
「局所封鎖(θ)+撤退」を最適解とする。
7. 薬剤リスト
形式:コード|名称(略称)|主用途|使用対象|副作用・リスク|備考・演出例
- STX-B|Stimul-Xβ(スティミュルXベータ)|精神集中補助/MN回復|
副作用・リスク:精神過興奮・軽動悸・反動性イライラ(MNの軽いリバウンド低下)。
備考・演出例:MN 41%→58%(波形安定)/視界の微シャープ化。投与後3分は無理な連続展開を回避。
- AS-01|Anima-Sync01(アニマシンク01)|魂律干渉耐性向上/AN抑制|
副作用・リスク:情動平板化・末梢冷感・稀に「魂律固着」により後段のAN立ち上がり遅延。
備考・演出例:注入時の冷却感→AN 33%→49%(乱れ→整列)。Null/高位干渉の前投与が鉄則。
- NS-Z|N-StabZ(ニューラルスタブZ)|神経応答値低下/NS軽減|
副作用・リスク:反応遅延・微細運動の鈍り(命中率微低下)/過量で意識混濁。
備考・演出例:NS 78%→59%(過負荷解放)/「操作入力に0.1〜0.2s遅延注意」UI帯。
- CM-FX|Cognimod-FX(コグニモッドFX)|記憶再構築支援|
副作用・リスク:偽記憶混入リスク・短期的な方向感覚の揺らぎ。使用後の監査必須。
備考・演出例:記憶層ビューを多層表示、監査フラグ(黄色)を自動付与。Memorix系の後処理で使用。
- VOL-T5|Vol-Tracer05(ヴォルトレーサー05)|意志系構文の安定化補助|
副作用・リスク:意思硬直・視野狭窄(タスク切替が遅くなる)/長時間で頭痛。
備考・演出例:Voluntas安定ゲージ↑。QuietObservance_θ時の結界「ノイズ抑制率」表示+「長時間注意」インジケータ。
- SHD-N|Shieldin-N(シールディンN)|臨時防御領域構築補助|
副作用・リスク:通信干渉・視界ノイズ(薄いスノウ)/終了後の残渣(微弱発光)。
備考・演出例:局所シールドHPバー生成。味方HUDに光学スノウ注意ピクト。撤収時は残渣清掃プロトコル。
【投与ルール】
・二段承認(本人→ギアの自動安全判定)。
・相互作用:STX-B×NS-Z同時投与は可だが、反応遅延+過集中で動作が不自然になりやすい。
短時間・目的限定での運用に留める。
・優先順位の目安:
MN急落:STX-B →(効果薄い場合)遮断
AN乱れ:AS-01 →(Null/高位干渉時は先行投与)
NS過負荷:NS-Z →(火力より安全退避を優先)
記憶操作:CM-FX(監査フラグ必須)
結界・封鎖:VOL-T5/SHD-N(作戦時間の短縮を意識)
投与は術式ギアに内蔵されたマイクロインジェクターによって行われ、HUDの指標(MN/AN/NS)に基づき、自動かつ安全に微量注入される。
手動方法もあり。(注射ノズルによる投与)
8. 装備と表示
ギア:腰部端末《Lumis-NodeType-Y ルーミスノードタイプワイなど》(ユイ専用ギア小型・スマート)。
ギア基本構成:二層式双系統電源ユニット
主動力:アニマリアクター式術式共鳴炉(Anima Reactor)
概要:術者の魂律(AN)と共鳴する微小リアクター。精神波動との同調で術式演算エネルギーを生成。
方式:ジ・アストラルテクノロジーに基づいた高次精神共鳴炉。
特徴:精神活動が維持されている限り術式の基本動作を継続可能。電源切れリスクを極小化。
メリット:
術者の魂律とリンクするため反応速度が極めて高い
術式使用時の“魂律ノード負荷”と相関する形で自然に制御可能
デメリット:
術者の精神崩壊・魂律崩壊時は停止するリスクあり
魂律汚染が深刻な場合、リアクターが不安定化する。
補助動力:高密度ナノカーボン・キャパシタ(NCCS)
概要:即時放電可能なナノキャパシタユニット。主動力の供給が不安定になった際の緊急補助電源。
特徴:
・瞬間的な大電力供給が可能
・非動作時に自動充電
・術式停止時の保持電力確保にも活用
メリット:
・アニマリアクターとの併用により信頼性が高い
・術式暴走時の“強制遮断信号”の発信にも利用される
デメリット:
・連続使用には向かない
・高負荷術式を補助する場合、急激に劣化するリスクあり
安全装置:遮断術式連動型セーフモード
・主動力と補助動力の両方が不安定化した場合、「術式遮断(Fail-Safe)」が自動的に発動。
・ホログラムに「動力異常/術式セーフモード移行」が表示され、術者の動作を最小限に制御。
・精神負荷が限界を超える前に薬剤UIと連動し、緊急注入を促す設計。
・HUD(Head-Up Display)術式戦闘補助可視システム
HUDとは、術者の視界上(コンタクト型ホログラム、もしくは網膜投影)に直接展開される戦術情報表示システム。
戦闘中の情報処理、術式制御、精神負荷監視を一元化する。
ギア(例:《Aegis-Drive》《Lumis-Node》など)と神経インターフェース接続され、
「脳の負担を最小限に抑えつつ術式運用を可視化」 する目的を持つ。
基本的には腕時計型のギアモニターから投影されるが、視界・掌・スーツ・空間など複数経路から投影可能。
全ては術式ギアネットワークに統合され、術者の精神波(MN)と魂律(AN)に同期して表示される。
・UI User Interface(ユーザー・インターフェース)
術式を使う術者は、直接「魔法を唱える」わけではなく、ジ・アストラルテクノロジーによって術式構文とデバイスを通して“術式を発動”する。
その際に、HUD(ホログラム表示)やギア画面に表示されるもの。MN/AN/NSを%+バーで常時表示。アラート音のみで段階警告。補助提案(投与・遮断)をポップ表示。
術者の精神状態・魂律負荷・神経反応などを
数値や色、音でリアルタイムに“見える化”するものとしてUIが存在する。
・戦闘演出:ハイブリッド戦闘(ギア×術式)。
遮断→即応用→誤用回避の“理解できるロジック”で描写。
9. 章末コラム
・「術式=心と記憶と魂を“コード化”して現実に触れる技術。MN/AN/NSは、その健康診断。」
強力だが、危険な力でもあり、諸刃の刃でもある。
・「薬剤は“加速”ではなく“安全余白”を買う道具。足りない時に、必要なだけ。」
・「θは例外的な正義。だからこそ、記録されなければならない。」