長きにわたり対立を続けてきた上川国との最終決戦において、北山国は絶対的な敗北を喫する。籠城の末に城は落とされ、武家の誇りは徹底的に砕かれた。北山城主をはじめとする武士団は滅亡し、女性たちは勝者の戦果として分配される。
元城主の妻景子と娘の環奈も例外ではない。傑出した美貌と品格を持つ二人は敵の大将上川昌弘によって筆舌に尽くしがたい屈辱と恥辱を受け、隷属の境遇に突き落とされる。この地獄の底のような状況下で景子と環奈は屈しなかった。昌弘の正室やその一派から陰湿な嫌がらせや苛烈な試練に直面するが、女性の知性と類稀な魅力を唯一の武器とする戦略を決意する。恥辱の床で昌弘の子を成すという献身と戦略により、彼女たちは自分の地位を静かに固め、正室の座を揺るがすことに成功する。
そして、上川昌弘の突然の死という運命的な転機は、彼女たちが撒いた血の種を開花させた。二人の血を引く幼い息子が、新たな城主として擁立されるに至る。武力や権威といった男性原理の支配が崩壊し、知性と柔和な魅力という女性としての武器が城を統治する系譜へと移行する過渡期を描く壮大な物語である。景子と環奈が精神的な苦痛と絶望を乗り越え、敗者という立場から権力の中枢へと華麗な復活を成し遂げ、女性による永続的な支配のシステムを確立するまでの軌跡を追う。
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