桂英太郎

静謐な音楽と共に、私のかけがえのないものが、一つ、また一つと失われていく。しかしそれは、もしかしたら「救い」の形なのかも知れない。

「青いチケット」シリーズ、もう一つの物語…。

近未来。閉ざされた社会と未来の靄の中で、人々は失われた光を求め、力強く彷徨い続ける。

【 青いチケット 】最終章です。 ２０２５年の春、今だからこそ皆さんに読んでもらいたい作品。 是非お楽しみ下さい！

全10回の物語です。 どうぞお楽しみに下さい。

日本のどこにでも在る、田舎町。人々の、これまた有り触れた日常の中に、徐々に非日常が入り込む。いや、遠い昔から潜んでいたというべきか…。どこかで鳥の鳴き声か人の叫び声かもつかない金…

この音を耳にする度に、自分の中に空洞がポカンと生まれる気がする。

思いがけない同級生との再会が、僕らを《 世界への果て 》へと誘（いざな）う

才覚十分ながらも、世間の風には幾分疎んじ気味の青年侍が、己を活かす場所として選んだものは。

最近、やたらとあの頃の事を思い出す。

韓流ドラマじゃあるまいし、この年になって自分の出生の秘密って…。 だから何？とも思うが、一応一人で旅に出てみた。

私たちが目にしているのは、本当にリアルなのか、それともフィクションなのか？ 具体と抽象のコラージュが主人公たちを異世界にへと招き入れる！

「現実」から離れ「自分」と云う異世界に引きこもって、もうどれくらい経つのだろう？ 暇つぶしに書き出した荒唐無稽な物語が、皮肉にも「自分」と「現実」を繋ぎ止めている。

淡々とした日常が一つの挑戦を決意したところから軋み始める。 それは苦痛と発見の繰り返し。 自分をそぎ落とす。 誰にも文句は言わせない。

日常に疲れたら、たまには記憶の小箱を整理してみよう。 そこは懐かしくも不思議な「おとぎの世界」。 あなたの中にもそれはきっと眠っている。

日常の一瞬のきらめきを切り取る、ソール・ライターの写真のように。 ファンタジーは異世界ばかりではない。 むしろあなたの日常に在る。 私からあなたへ送る絵ハガキ。

地元で何かが起き始めている。 人が消え、心が透けていく。 きっかけは“青いチケット”。 タウン誌女性記者はそれを追いながら、 やがて自らもその闇に飲まれていく。 大河ロマンのプロ…