「砂埃」を含む小説

あたしは探していた。あたしの歌を聴いてくれるものを。そしてあたしは見つけた。あたしの歌を聴いてくれるものを。

カリビア・ゴールドラムは、自分勝手で、声の大きい、顔面だけは良いアルコール中毒の前科付き金髪成人女性。 荒野の片田舎で、人っ子一人来ないような場末のバーを経営している。 だが、そ…

満州と呼ばれた世界。 ハイラルの大草原を、砂埃を巻き上げながら進軍するソビエト軍の戦車部隊。 近郊のアルグン河を、同じく砲兵部隊が砲車を押しながら続々と渡って行く。 前進するソ連…

蜜柑があまり好きじゃない華菜、共働きの両親、蜜柑好きなおばあちゃん。 冬。おばあちゃんはコタツで一人蜜柑を食べる。 しかし、突如起きた地震によって街は瓦礫と砂埃に包まれた。 そん…

東部シベリアのパリ、イルクーツク。バイカル湖畔の別荘は、とても穏やかできれいな場所でした、 と砂埃に霞んだ記憶を取り出してみます。

物置き小屋と化した蔵に探し物をしていた青年・山本颯飛は砂埃に塗れ、乱雑に山積みにされた箱の中から一つの懐中時計を目にした。 それは、不思議と古びているのに真新しく、底蓋には殴り…

小学生のころの話です。 ずっと心にかかっていたので。 【公式自主企画】怖そうで怖くない少し怖いカクヨム百物語

【短歌部門　二十首連作部門】 季節外れですが、よろしくお願いいたします。 ※内容は　ほぼ同じですが、下書きで削ったものも入っています↓↓↓ 初めて書いた短歌集 http…

摩擦でささくれた麻糸から、白煙と焦げるにおいが立ち上った。 砂埃と汗の匂い。鼓舞するラッパと太鼓の音が、どこまでも続く砂浜に鳴り響いている。 　『大凧の糸切り合戦』 この町に…

　泥だらけの少年が、宝物を誰にも見つからないところへ隠しに行くように。毎日のように覗き込み、そこにある宝物を見て心躍らせるように。僕は今日もそこへ行く。僕だけが見えるものを見に。…

奇跡と呼ばれた蒼き月は、砂埃によって起こされる。 神秘も風情も、あったものじゃない。 人間なんて、いつだってそうだ。 学校の中に王国を見て、 個人の中に銀河を見て、 牢獄の中に…

KAC20231『本屋』参加作品

数か月に一度、彼から届く瓶詰めの手紙を読むことがわたしの楽しみだった。

緑豊かな国があった。そこは「召喚獣」という生き物をパートナーとして召喚させ、共存している。その国の王の息子であるリョウバは突然、王になれといわれてしまった。不満に思いつつも、王位…

2088年、階差機関が実現し蒸気機関が蔓延した世界は環境を破壊し尽くした。 ある日、砂埃と蒸気が渦巻く町に一人の男が現れた。

　赤茶けた大地に砂埃が舞う、カウボーイやガンマンがいる世界――『西部』。 　十六歳の少年レナード（レン）・マーシュは、開業医の父親を手伝っている医者の卵だ。 　ある日レンは、見た…

須藤樹は昔から自分の中性的な容姿を気にしながらも男らしく見せようと日々を生きてきた。 そんな彼は突然謎の人物に拉致、そして技術の革命とも言われる冷凍保存――コールドスリープ――装…

　三題噺、文芸部で書いたもの。お題は「運動部、シューズ、砂埃（ただし主人公が走らない）」。今回は後輩からの提供。何もできない主人公の恋愛もの……もどきです。 　「せーしゅん」が…