「白い服の女」を含む小説

目が覚めたとき、空は低かった。 そこに現れた白い服の女は、淡々と告げる。 「夢を聞いて、書く。死者の。」 死者は成仏する前に、一度だけ夢を見る。 その最後の夢を聞き取り、ノートに…

五十代後半のベテラン介護士・時子は、昔から霊が見える体質で、自分の働いている施設に時々現れる、女の霊が気になっていた。 時子はその女の霊の存在と出現の意味について、過去の経験を振…

【あらすじ】 神々が出雲に集う「神在月」。 その日に偶然出雲大社を訪れた、見知らぬ男女五人。 彼らには共通点があった――一年前の同じ日に、大切な誰かを失っている。 写真家の青年…

　少年は家族でキャンプに来ていた。 　ふと夜中にトイレに行きたくなって目を覚ます。 　母親を起こそうとするも、頑なに眠ったまま起きる気配がない。父親と妹も同様だった。 　仕方なく…

「空には覆う私心がなく、大地には運ぶ私心がなく、太陽と月には照らす私心がない。この三つを捧げて世界を労する、これを三無私という。"白いこめの紙のペンの音のインクの若者はいっぱい書…

……人の悪意はゾクゾクする程、面白いなあ。 私、雨月アリナの趣味はアクセサリー集めだ。 私は怪異が視える。 けれども、自分以外の人間の除霊が出来ない。 自分以外の不幸もど…