「写らない」を含む小説

クラスに一人、影のように目立たない女子がいる。 無口で、いつも後ろの席。集合写真では必ず最後列に立つ彼女は、なぜか写真にだけ写らない。 最初は不気味に思っていた語り手だが、やが…

揺れたのに、壊れない。 写ったのに、写らない。 見たのに、記録が残らない。 島根の高校生・八坂御布（やさか　みの）は、 三本足の烏と、黄色く染まった雲を目にする。 その日か…

海に面した町・多賀城市で暮らす高校三年生、青井悠真（あおい ゆうま） 何をしても本気になれず、ただ“この町から出たい”という焦りだけを抱えていた そんなある夏の日、都会から転校し…

海辺の小さな町に越してきた遥は、港近くのカフェ「マリンノート」で働き始める。地引き網や港の賑わい、潮風と焙煎の香りに包まれた日々は、穏やかで温かい人々との交流に満ちている——はず…

「トイレの花子さん？　もちろん、知っているとも」 とある高校にある新聞部。所属生徒はにっこり笑顔の一年生に、目つきの悪い無愛想な部長の二人だけ。 彼女たちの元には、今日も様々な…

上京して一人暮らしを始めた大学生が見つけたのは、格安の築古アパート。だが、引っ越し初日から“玄関の違和感”が彼を侵食し始める。写真には写らない壁、消えた戸、ねじれる間取り……。や…

焼きつけたのは、届かない想いだった。 言葉にすれば壊れてしまいそうで、何も言わずに見つめたまま。 それでも、好きだった。 写真には映らない感情を、シャッターに託した僕の話。

教室には、空席がひとつある。 誰が座っていたのか、誰も思い出せない。教師も、クラスメイトも、名簿も――すべてがその存在を否定する。 だが、美咲だけは忘れていなかった。 彼の名前…

「あたし、死ぬんですか？」 「はい、余命三ヶ月です」 　その診断を受けた翌朝、写真家・桜井波音の目に映る世界が変わった。 　人々が光を纏い、街並みが輝きを放ち、存在するものすべ…

空中ブランコのベルのことを、知らぬものはこの街にいない。 完璧な四回転半の宙返り、しなやかな身体、大きな猫目。 どれも素晴らしい魅力だけど、それはどうでもいいことだ。一番大事なの…

叔父様から渡されたカメラ付きトートバックには、不思議な効果がありました。 バックに入ったたくさんの人の写真は、叔父様が笑顔にした人の多さだと思います。 私に託した意味と、叔父様が…

スマホで写した写真だと小さくしか写らない。大きく撮りたいのでお爺ちゃんに相談したところ、今は使っていないデジカメをもらった。のぞいたファインダーの中の世界に彼とのつながりを感じる…

政治家は、金に汚い。私利私欲に満ちた人間だ！　 ドブネズミの美しさを見習え！

カメラ屋に行くと、なんだか古そうなカメラがあった。 見たこともない型だが、不思議と惹かれる。 買ってみようかな…… 小説家になろう・アルファポリスにも掲載しています。

【殺伐感情戦線：第128回 お題「幼馴染」】 深き森の館に住まう、師とわたしたち。 鈍く眩んで反射を拒むものたちに囲まれて、わたしたちは〝鏡〟になることを望まれる。

人の写らない風景を撮るのが趣味の祐は、幼なじみの未央からの電話で、『生命消滅型スコール』が降り始めたことを知る。終わり行く世界で未央は、「どうせなら最後のひとりになろうと思う」と…

写真家の桂木さんとその妹の話。 調べたら家族愛はストーゲイに分類されるようなのでこちらに分類していますが、違っていたらすみません……！

彼女が写真に写らない。 そんな謎から真実に向かう主人公と二人の愛の物語。 彼女の謎。。。。。 二人の謎。。。。 そして二人の恋の結末は。

「……タビアゲハ、おまえはこいつをどう思う？」 　住宅街の坂道で、バックパックを背負った老人は抱えたスイカを仲間に見せていた。 　そのスイカは、先ほど坂を転がり、擁壁に激突して…

今日口にした物、今住んでいる場所、そこは本当に安全なのか。 誰かが今も何かをしている、地球の自然は常に変化している。 目に見えている世界だけが変化しているのだろうか、 今は目に写…