「春らしさ」を含む小説

春このごろの、変わりやすい天気について書きました。

声なきぬくもりは、今日も小さな背中を包み込んでいる。

明峰大学文化人類学研究室。静謐な空気の中、准教授・綾城遼一のもとに集う学生たちは、それぞれの問いと情熱を胸に、神話と人間の深層に迫ろうとしていた。春、三年生の真木理央が新たに加わ…

主人公　桜庭（さくらば）　春馬（はるま）には将来を誓い合った幼馴染がいた。 生まれたころから一緒にいて家は隣同士。 幼稚園の卒園までずっと一緒だった。 だが、春馬は卒園を機に海外…

春告国（はるつげのくに）では百年に一度、宵花の儀と呼ばれる儀式が行われる。 国を護る桜大樹を維持するその儀式の大役、桜姫に選ばれてしまったのは領主の館で働く雛乃（ひなの）だった。…

　女子高生の私は実家が銭湯で、たまに私も番台に立っている。最近はナイスバディな外国人の女性客も多くて、目のやり場に困（こま）ってて。そんな私に、幼馴染（おさななじみ）の小春（こは…

那須与一は屋島の戦いにて、扇の的を当てた。当てたが、彼は危惧する――「このようなことをやっている場合なのか」、と。摂津（大阪）・渡辺津から、わずか150騎で出撃して以来、昼夜兼行…

春のダンジョンで、ツノバケジカを仕留めた。 命をいただき、洗い、解体し、友と運ぶ。 静かで、重たい、俺たちの日常。

僕が親友のためにできる最後のこと。 親友を殺した僕は春を捨て、冬を探す旅にでる。僕に残した君の最後の言葉とは……。

第二回さいかわ卯月賞参加作。文中、鉤括弧は発声および物語内引用、二重鉤括弧は書き込みおよび書物名、傍点強調は下記文献からの引用を示します。 ※引用文献 清少納言『枕草子』（三巻…

高校生活二年目、十六度目の春を迎えた、ごくごく普通の男子高校生岡田優陽。 クラス替えで去年までのメンツと別れたことにショックを受けつつも、新しい教室へと向かう。扉を開け、黒板に張…

カクヨム「詩・童話・その他」の週間ランキング3位(2025/05/03)。 春の愁いと春の暴力性を融合したような、川柳連作15句です。 川柳として作りましたが、俳句としても短詩…

23回目の春、遂に10社目の不合格通知を受け取った。 怒りと自己嫌悪から、唯一の友も失ってしまう。 それから20年後の春、私は──

ストイックな暮らしの反動である日突然超ド級の腐れ珍宝を掴む これって看護婦さんとか保母さんとか美容師さんなど、手に職があるモノノフ女の人が陥りやすい罠ですよね。 彼氏が「売れな…

2025年春、大阪・夢洲。 世界中から注目を集める「大阪・関西万博」会場は、 未来社会の実験場として華やかに幕を開けた。 しかし、その裏側では莫大な利権を巡る闇の取引がうごめいて…

　仙台伊達家平士頭の佐藤源之介の妻奈緒が三つ子を懐妊した。畜生腹は忌み嫌われる。佐藤源之介は、三つ子の一人を親戚の木村玄太郎と香織の夫妻に育ててもらう。三つ子の長女は八重、次女は…

剣も魔法もいらない。 俺にとってのダンジョンは、ただの山菜畑だ。 家から自転車で十分。祠をくぐれば、そこは春と緑の宝庫。 今日は幻光タケノコを狙って、腹を満たすために山へ向かう。

　小さな町で冒険者をしている青年ウィルは、エルフの恋人アンナと聖なる山で愛を誓う。しかし、山の主・厄災と恐れられているドラゴンに襲われ、恋人と自身の左腕を失う。仲間も去っていった…