「吐かない」を含む小説

【♣】 誰かに否定される人生だった。 誰でも良いから愛されたかった。誰でも良いから認めて欲しかった。誰もでも良いから仲間に入れて欲しかった。誰でも良いから肯定して欲しかった。…

「魔法が使えないくせに道の真ん中歩かないでちょうだい」 わざと転ばされたソフィアに向かって冷たい言葉が吐かれた。 ソフィアはその言葉に返すこともなく、今しがた割れてしまったフラス…

　トアルート王国首都のトアルートダム。ここは治水技術や道路が発展しており、外観は訪れた者に感嘆の息を吐かせるのに十分な美しさを誇るが、その王城の内部は腐敗しかけた果実のよう。 …

風属性魔法しか使えないのにそれすら酷いという魔術師としては全くの無能である少年がいた。 彼は「凪の魔術師」と呼ばれるようになる。風がない状態を凪というが、その呼び名は唯一使える風…

ある日、一人の男の子が死んだ。 その子は重い病を抱えていて、ずっと病院生活をしていた。その病院の窓から外を眺め、ずっと思っていたことがある。 「鳥に、なりたい」 あの青い大空を自…

【ショート・ショート】 喫煙所に派手な若いカップルがいた。 女性の顔には痣があり、男から暴言を吐かれ続けていた。 老人は男を窘め、静かに自らの過去を語っていく。 その意外な結末と…

親の都合により1学期中間試験一週間前に霧結市へ引っ越してきた少年、大城 白野（おおしろ はくの）は引っ越し当日に殺人現場に遭遇してしまった。 　だが実は全て転校先の同じクラスで隣…

　エルフの集落、レマールの隠れ里に住むエルフの少女エーネはある日、エルフの目くらましをあっさり抜けてきた大賢者の「おじさん」（おじいさん）に出会う。 　エルフ狩りに合うこともあ…

大都市の維持には機械が欠かせなくなり、人間最後の砦と言われた芸術分野にもその手が及ぶようになった世界。 「僕」こと半人前の修理屋フォルテは、時に喋る猫のポコに悪態を吐かれながらも…

完璧主義で普段は弱音をあまり吐かない彼女が、ある日仕事のトラブルで泣きながらやってきた。自分の隣で涙を流しながら眠りについた彼女を眺め、愛しく思う。理想的な幸せを切り取った短編作…

ご覧じろ、龍殺しの王様のお城の中庭の「百人隊の菜園」を。／馨る月桂樹、匂う龍蒿。そよぐ枝葉、誇り咲く花々。／犬薔薇の実を摘む者はあらずや？　熟し落ちた実で大地が赤く染まっている。…

孤児院で育った大人不信の少女ニナは、ある日、とある事件がキッカケで、親が子供を想う心から生まれたブギーマンのジャックと出逢う。以来ジャックに付き纏われる事になったニナは、行く先々…

出張で一時帰国した男友達は、明日の朝には再びこの国を離れるのだと言う。 「日本にいる間しか出来ないなって思うと、なんか急に花火したくなっちゃって。付き合ってよ」 そんなふうに…

花屋で働く根暗の青年カナウ。なかなか人と打ち解けられず、嘘の笑顔を浮かべ続ける。そんなある日、接客をしていると、ウインドウからとても綺麗な性別不詳の人間がこちらを見つめていた。 …

『ボクと彼女の異世界譚』って、何？　という人は必見！　存在を知らなかった人は、まあ、うん。読んでくださるとありがたいです。 ※未完だから何でもかけちゃうぜ、ひゃはあ！　といった…

大人だから弱音を吐かない。大人だから我慢する。大人だから・・・みんなそうだから・・・ 働くようになって、そんな考え方が当たり前だった〇十年… 最近、それがメンタルにきていたのに…

昨日子猫が道端で瀕死になっているところを何とかしようとしましたが救ってやることもできませんでした。個人的にどうしてもその子に対する罪悪感なるものが残ってしまっているので吐かせてく…

勇者育成学園。 此の学園の生徒は２年になると、自分が希望する異世界に転移し、其処での生活を強いられる。名前の通り勇者を目指しても良し、魔王を目指しても良し。要は生き残れば合格、死…

無気力女子·光はある日、うんめい(理不尽)に出会った。 そのうんめい(理不尽)に抗うため、今日も光は「不純異性交遊取り締まり部」の部活に向かうことにした。 ※こちらの作品…

昔々、動物たちは言葉を話したといいます。