「切ない 和風ファンタジー」を含む小説

お稲荷様と男は両片思い。 「泣く時は声を上げて泣きなさい。そうじゃないと、誰にも気づいてもらえないよ」と言っていたのに、男は声を上げずに死んだ。 男が死んだことを風の便りで知った…

「私は、私の正体が知りたいんだ」 “自分の正体”を探して旅する美しい薬師の男、朧。そんな彼に出会い、救われ、傍に在りたいと恋慕う妖鳥の少年、椿。 ひとところに留まることなく続…

死者が現世にとどまり続けると死霊となる。 それらをおさめ、砂により土にかえす者、砂士の戦い。 生は陽、死は陰。それらの理を違えることは許されない。 生きている以上、死から逃れられ…

神奈備の地、大城山。狩りに出かけた薬師の青年は、ある日山でひとりの女神と出会う。 前世の約束を果たすため、朝廷に従わぬ神に弓引く者からすべてを守るため――青年は立ち上がり、戦う…

地元を出て東京の大学に通う結子は、「人を好きになれない病」だった。だれかに好きになってもらっても、好きという気持ちを返せない。誰かを好きになればわかるよと、友達は言う。卒業前の最…

前向き強気アラサーOLに振り回される、妖刀持ちな訳あり無愛想青年。 ”お稲荷さん”の遣いである妖狐ちゃんのいる浅草の喫茶店で甘味を楽しみつつ あやかしの心を救ったり、居場所を守っ…

「それでは謹んで、お預かりいたします」 　さつきの幼馴染・航夜（こうや）の家は代々、所有者や周囲の人間に怪異や災いをもたらす「忌み物」をあずかって供養する「あずかり処（どころ）…

妻を失った東吉は、山奥のあばら家に身を寄せ、酒に頼るさびれた生活をしていた。 そんなある日、東吉は「生きた人形」を拾う。 最初は恐ろしく思ったものの、失った妻と自分の子のように思…

その夏、日照りが続いて畑はひび割れた。村長は幼い姉弟に山神さまへの遣いを頼んだ。遣いなどというが、実際は贄だ。身体の弱い弟を庇い、姉は供物と共に輿に乗る。 山の奥に待っていたのは…

その痛みは 語れば やわらぐか？ 武士の放った火が都を焼いた—— 突如として、反乱を起こした武士集団・矢頭奴(ヤズヌ)によって貴族政権は崩壊。戦乱の世が幕を開けた。人々は都復興…

余り豊かではない世界で、いろいろな人の思いが交錯するなか、一人の少女が自らの道を選択する話です。 エブリスタの、短編コンテスト応募作です。

　現世（うつしよ）では人もあやかしも、同じように悩み、想い、様々な感情を抱きながら生きている。 　彼らの抱えるものは哀しい過去であったり、大切な記憶であったり様々なもの。 　自由…

生きる意味を失った犬神と、生きる意味を捜す少女が出会うとき、物語は動き出す―― 妖の姿が見え、その存在をこよなく愛す少女、彩花。 妖を忌み嫌い、その存在を厭う彩花の婚約者、優。…