「月 逃避行」を含む小説

正反対なようで、どこか似た孤独を抱える片瀬と桐川。偶然の果てに出会った二人は、たとえ数年に一度しか会わなくても、お互いの人生の支えとなった。一人では寒くて仕方がない冬の日も、二人…

年の終わり、いまだ円き月の上から、兎は地上へ逃げ出した！　その逃避行の果てに昇るのは。 年末年始をテーマに書いた掌編。

｢靴をなくしちゃったんだよ。｣ 雨のなか、公園の中央に裸足で立っていた彼女と、失くしてしまった靴を探しながら、ぼくたちは、なににだってなれる気がして、そして、どこにだって行けるよ…

　どこにでもいるかもしれない男子中学生、兎束 尊は家でペットのウサギ――チョコラと戯れるのが趣味だった。 　その日もいつものように遊び疲れてチョコラを抱いてソファで微睡んでいると…

隣国の王子に嫁いで来たはずなのに、1月も放置された挙げ句に暗殺計画まで立てられている事を知った一人逃げることを決意した。 しかし、逃げる途中で件の王子ドルンと鉢合わせ！ しかも、…

文学フリマ東京36（2023年5月21日）で販売する恋と毒をテーマにしたアンソロジー『恋毒スーサイド』（サークル名：ドロップス書房）に収録予定の短編の試し読みです。 作品の詳し…

正歴2014年2月24日早朝。ルデシアはクーエでの政変を鑑み、ククリム半島に軍事侵攻を始めた。 ルーガは養父に呼ばれた。 「戦争が始まった。お前をユレリナに戻す。イズミマに帰る準…

月葉は親友の乃秋と喧嘩し、孤児院から脱走。長い逃避行を試みる中で、山の麓に家を見つける。その家に住む老人と会話を深める中で、お互いが何者かに捨てられ、そして、孤独の身であることを…

　七歳の頃、僕は田舎の祖母の家に預けられた。 　その町というよりは村という言葉が似合う場所で、僕は奇妙な経験をする。 　そして、二十年後、僕は戻ってきた。 　僕を待っている…

2020年8月、コロナ禍の盛夏。 30歳フリーターの坂城は家に引きこもり、自粛生活を密やかに満喫していた。 その異例なお盆休みの最中、失業の危機に瀕した大学時代の女友達 中嶋から…

　没落寸前の子爵家の娘イヴェットは買われるようにして侯爵家に嫁いだものの、夫の目的はイヴェットの侍女を夜の妻にすることだった。 　諦めの中でも糸を紡ぎ、布を織り、妻としての体裁を…

「逃げちゃおっか」と何度も呼び掛けてくれる少女と、村に縛られた子供が出会うお話です。 役割からの逃避行。 ファンタジーです。

ときに自分を守り、時に開放してくれる。 そんなドアに恋をした男とドアの逃避行。 でも、世間がドアに向ける目は冷たくて……！？ ↓前回の投稿↓ 『あなたの作品はこんなところじ…

僕、逆月真昼（さかつきまひる）は、逆月真夜（まや）を愛している。 逆月真夜は、逆月真昼を愛している。 でもこれは許されざる恋で、持っていはいけない感情だったんだ。 逆月真昼は兄で…

漫画家である主人公、大西深月は連載を一時休載し東京から電車で2時間かかる田舎街に引っ越してきた。 実家を出て一人暮らし。人生初となるアルバイトも始めて、新しい毎日が幕を開けた。 …

　主人公カイト・フェレンドはフローレンス王国の西の果ての村レヴァロンに住む16歳の少年。ある日、幼馴染で義理の姉であるエリシアと、親友のレオンと村外れの丘でロバを遊ばせていた。そ…

ウィンクルム王国に出された一通の予告状。 「今夜、月がウィクトルの城の真上に上る頃、貴国の宝を貰い受けます──怪盗マルム」

山の中にひっそりと建つ旧家に出入りする庭師の弟子・利吉は、その屋敷に住む美しい娘・聡子に密かな想いを寄せていた。 聡子の縁談が決まり、顔を合わせるのも最後になろうかというある日、…

赤沢拓人は、どこにでもいる普通の中学生。 けれども、ある夜の繁華街、ズタボロの金髪の少女と出会い、その手を取った瞬間に拓人は非日常へと引きずり込まれた！ 少女を追うのは黒い妖怪…