「​円城塔賞 カクヨムオンリー」を含む小説

　遠い未来のカオス理論の講義。とある教授が語る、歴史が変わってしまった出来事の実例とは。 　KAC20233の「ぐちゃぐちゃ」がテーマの作品です。 　なお、カオス理論についての…

　約二十年間、遺品整理の仕事に携わっている人物が、匿名掲示板に載せた自身の体験談。 　時々、仕事中にあるぬいぐるみを見かけるようになった。そのぬいぐるみが現れるのは、とある条件が…

小学生の頃、家族で出掛けた先で迷子になり、ある事件の被害者になった私。 無意識に記憶のトリガーになる本屋を避けていたようだった。 避けていたはずのその場所に向かったら、当時の記憶…

　夜中でも、空いている本屋を見つけて足を踏み入れた「私」。 　そこでは、全ての本がビニールを掛けられていて、カウンターで客は料金を支払わずに本だけを受け取っていた。 　KAC2…

その古書店には、童顔な事以外地味な女性の店主がいる。 しかし、彼女に恋をしてはいけない。 ──彼女達は、静かに暮らしているのだから。

自分の夢を子供に乗せ、子役として息子を活躍させようとする母親。 同時に、子供の大切な時間をそんなことに費やしてもいいのだろうか、と悩み続けていた彼女に、「バーチャルチャイルドアク…

彼には悔やんでも悔やみきれない後悔がある。 孕ませた女を捨てたことだ。それは、捨てられたでもない、捨てたに等しい。 探し歩いても見つからぬ姿を求め続けたが見つからず、やがて転…

近未来、人類は五感の再現された仮想世界と、太陽系外の惑星という二つの新しい世界を手に入れていた。 男は惑星不動産屋として惑星を売る仕事をしていた。男の前職は仮想世界のデザイナー…

小国の王子に仕える俺は、ずっと奴のために働いた。 王になって、世界を取れ！ そんな夢を抱くようになった。

僕は初めての洞窟探検に出かけた。 ニックおじさんとともに。 《鳴き竜のお腹》に向かい、目的の部品を手に入れた僕らには、衝撃の結末が待っていて――。

新しい時代の潮流によって世界は変わろうとしていた…。

フィボナッチの兄弟に── 自分と同じ罪を背負った兄弟達に──

　不動産屋に紹介された物件は、安かった。 　事故物件だから安かった。 　でも、慣れればたいしたことない。 　

　坂下ユウは幼い頃にあることが原因で、人の皮膚が見えなくなった。それから十年以上の時を経たある日、ユウのクラスの担任が突然退職した。学年で浮いた存在である橋上アキラが疑われるのだ…

化学文明が発達したとしても、見えざるものへの敬意を忘れてはならない。そして、畏怖も忘れてはならない。

「貴方の残りの時間はあと１年です」 唐突に余命宣告された大学生の男は、残りの人生をどう使うのか。

世界が終わる瞬間を研究している主人公は、滅亡してしまった並行世界の滅亡の瞬間を観測する旅をしている。 今回、訪れるのは、社会生活のクエスト報酬によるゲーミフィケーションを達成した…

ただ一人のネット友達のために捧ぐ。

まだ闇の深い朝。いつものように電車へ乗ると、誰も居ないと思っていたそこには咲乃が座っていた。ラケットカバーのピンク色が懐かしい。 「……なあ。降り零れるって言葉、知ってるか？」…

ここは歓楽街の片隅。金魚のオブジェを前にして、“私”と“弘子”さんは出会った。 マイノリティを生きてきた私たちは、少しずつ少しずつ、お互いの過去を語り合う。“私”が話す父の思い出…