旬の食材を使うのが和食の基本ですが、ライトノベルの基本も旬のネタを使うことです。時事ネタであったり、話題になっているニュースや社会問題であったり、その時その時で読者の興味を掻き立てられる新鮮なネタがないといけません。カクヨムに投稿される新作は常に現実とリンクして旬のネタをとり揃えています。今回紹介した作品も今だからこそ読んで面白い作品を選んでみました。皆さま、どうぞ産地直送の最高の一品をお召し上がり下さい。
魔王直属のクレーム対応課で働く青年キースの元には、魔王軍で働く人々のさまざまな仕事の悩みが集まる。
曰く、「魔王様が演習場で暴れて兵士が困っている」
曰く、「魔王様が図書室の蔵書でドミノをして困る」
曰く、「魔王様が厨房でつまみ食いして困る」
それらクレームの対応にキースが奔走するのだが、クレームの八割が魔王様がらみ!
その魔王タラネは、実はキースの幼馴染で、頭脳は子供のまま身体だけ大人に成長したような絶世の美女で、周囲を困らせるのも大好きなキースにかまって欲しい一心だから、その自由奔放さが憎めない。
魔王城で巻き起こる問題や騒動に対して、力づくで解決をはかるタラネの脳筋ぶりと、いつも冷静なキースの仕事ぶりとのギャップに笑いがとまらない。
仕事のデキる男キースに他のヒロインも次第に惹かれて恋愛模様もヒートアップして、さらに増えるクレーム対応に忙しくしながらも賑やかで華やかな職場風景が楽しい作品です。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)
騎士だった父親に憧れ、騎士団に入るために故郷から王都へと出てきた少年ラルス。
しかし、国一番といわれていたゾディアック黒騎士団は堕落してしまっていた。
これはブラックな騎士社会で新米騎士ラルスと仲間たちが真の騎士道を歩む物語だ。
かつては誇り高い猛者たちが集っていたゾディアック黒騎士団も、いまや任務はおざなりで他人任せ、業者と癒着し利益を貪り、幹部の「常闇の騎士」は実力ではなく賄賂や権力で選ばれていた。
その事実を知り呆然とするラルスだが、騎士団のあるべき姿を取り戻そうと努力する少女騎士リンナと出会い、彼女の率いるたった五人のオフューカス分遣隊に加わり任務に励む光景が眩しい。
他の分隊の尻拭いや雑用に使われていると承知の上で、信じた道をバカ正直に突き進む。
大きな組織の中で理想と現実の狭間で葛藤しながらも、己にも誰にも恥じない騎士道を追い求める少年少女の姿がたまらなくカッコイイのだ!
現代社会にも通じる世間のほろ苦さと、理想の甘酸っぱさが同時に味わえる稀有な作品だ。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)