底辺から這い上がった天才主人公の生き様が、とにかく強烈な一話です。
貧困と劣悪な環境からスタートし、「必要な努力を必要なだけやる」という信念で頂点へ駆け上がる過程は痛快。
しかしその実態は、買収・窃盗・禁忌の魔法と何でもあり――それでも結果を出しているからこそ否定しきれない、絶妙なバランスが魅力的です。
特に、学長とのやり取りは圧巻。
主人公の自己肯定と欲望全開の発言、それを受け流しつつも最終的に“追放”という形で切り捨てる流れが非常にテンポ良く、読んでいて引き込まれます。
そしてラスト、悲願の“大賢者”を達成した瞬間に異界へ強制送り。
成功と転落が同時に訪れる構図が見事で、物語のフックとして非常に強いです。
破天荒でありながら筋の通った主人公が、この過酷な外界でどう生き延びるのか。
続きが気になって仕方ない導入でした。
「魔法使いの頂点に立てば、酒池肉林、薔薇色の生活だ!」
そんな不純な動機で、史上最年少の「大賢者」に登り詰めた天才・アース。
しかし彼を待っていたのは、待ち望んだ酒池肉林ではなく――人類が滅び、異界の怪物たちが支配する「外界」への即時追放でした。
「…………参ったな。世界で四番目に強かったはずなのに、早速順位が落ちてしまった」
せっかく最強の大賢者にのぼりつめたのに、外の世界の生物たちが強大すぎてあっという間に底辺の餌に…!?
*
この物語の主人公は、決して高潔な人物ではありません。
大賢者になるために、評議会を買収したり、学院の宝物庫から秘宝を盗んだり、はたまた禁忌である黄金の錬成をしちゃったり…。
はて、そんな性根腐った主人公いままでいたかしら…いやいやいないかも。
でもなぜか憎めないんです…!
いつでも飄々と余裕ある彼の行動は予測不可能で、いったい次はなにを魅せてくれるんだ…!
といつの間にか彼の行動が気になって仕方がなくなってしまう。
そんな圧倒的魅力のある捻くれ主人公が、
女の子に言い寄られたり(女の子大好きだけど、これぜったいハニトラやん!)
魔法を教えた弟子たちから「先生先生」と慕われたり(君達に教えたのはまだ基礎中の基礎に過ぎないよ)
魔法使い相手に無双したり(まぁ……ちょっとトドメを刺しただけだよ)
しながら、なんとか国に帰還しようと四苦八苦!
でも、ようやく帰還の手掛かりを発見したと思ったら、実はやむにやまれぬ驚愕の事実が発覚して…!!
果たして、アースは無事帰還して怠惰で桃色な生活を取り戻せるのか!?
”不本意”ながらも伝説を築いてしまう、底辺大賢者アース・ディエスティマの冒険譚!
「初めまして、僕はアース・ディエスティマ。世界で四番目に強いはずだった、最近ちょっとだけ落ち目の魔法使いだよ」
(といいつつやはり最強な大賢者より)
『嘆きの亡霊は引退したい』『アビス・コーリング』『誰にでもできる影から助ける魔王討伐』など数多の人気作を生み出されてきた槻影先生らしさ全開の英雄譚です。
どうぞお楽しみに。
小説家になろうから来ました。嘆きについては、書籍版は全て購入済みのユーザーです。この作品に関しては、11話分が無料と記載されており、11話が読めなかったため、プロローグが1話分としてカウントされているのではないかと推測いたします。カクヨムネクストにどれだけのコンテンツがあるかは判りかねますが、月額980円を払うかどうかの価値については、当面この作品しか対象にしていないので、安く済ませるなら作品が完結した後に加入するでも良いのかなと思います。作品の評価に対しては、短い文章で面白さを表現するには物足りない内容に感じました。10話近くの内容から察すると、世界観に関する説明や情勢、モンスターへの対処が主で、次の内容にワクワクするほど物語が進んでいないため、カクヨムネクストに加入するかどうかの判断はまだ早いのではないかと存じます。