このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(103文字)
現代社会を生きる人間の滑稽で切実な姿を、片耳の猫が鋭く射抜きます。猫の突き放したような言葉は、不思議と「仕方ない」で固まった心を柔らかく解いてくれる。苦い現実のなかに、ちくわ一切れほどの温かさが灯る読後感。不器用ながらも日常を戦うすべての人に届いてほしい名作です。