1987年という時代設定がまず効果的で、フロッピーディスクや司書の先生といった当時ならではのアイテムが、謎解きの手がかりとして自然に機能しているのが面白いところです。レビューでも「読みやすく表現も自然」と評されている通り、転校生という三竹の視点を通して読者も一緒に謎を追っていく感覚が心地よい作品でした。
「死んだ一年生」「長谷川良子の死」といった重い出来事を扱いながらも、桜森京子との掛け合いや個性的な部員たちのキャラクターがバランスを取っていて、幕間として挿入される短い視点の切り替えが、本筋の謎をより重層的に見せる工夫になっています。一つの真実が明かされるたびに新たな謎が生まれる構成のテンポも良く、通学のお供にぴったりという評にも納得です。
天涯孤独で何か訳がありそうな三竹自身の背景も気になる伏線として残されていて、全23話を読み終えた後に、もう一度頭から読み返したくなる丁寧な学園ミステリーだと思います。