本作は、救済の顔をした恋愛が、どこまで人を破壊できるかを執拗に描かれた作品です。人魚との出会いは幻想的ですが、その直後から始まるのは愛するから壊すという儀式のようなもの。助け、世話をし、弔い、記憶に残すという、すべてが正論でありながら、結果として取り返しのつかない暴力へと変質していく過程が生々しく描写されています。恋をしたからこそ手放せず、手放せないから壊してしまうという論理により、読後に残るのはロマンスではなく、後味の悪さでした。
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