自分本位。社会との調和、家族の迷惑を顧みず、己の興が乗るままに過ごす。それは果たして、正されるべきなのか。かつては、社会=国・宗教・思想のために自己を殺すということは称揚された。しかしそれが否定されたポスト近代、称揚も賛美もされないままに、しかしいまだ社会は人に従属を、卑屈ながらに、臆病ながらに強いてくる。そんな権威なき強制は、果たしてそうする価値があるのだろうか。
ネットを媒介とした現代的な怪異によって、問題児だった少年が従順ながらも生の実感を失った空虚な存在へと変貌していく心理ホラーだ。自己中心的に楽しんでいた過去と、規則に縛られ他者を軽蔑するようになった現在の対比が不気味に描かれている。周囲からは更生したと歓迎されつつも、内面の崩壊とアイデンティティの喪失に苦悩し、「本当の自分」を問いかける独白が深い余韻を残す。不気味な都市伝説や、アイデンティティの揺らぎといった重厚なテーマをじっくり味わいたい読者におすすめできる。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(402文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(157文字)
強制的な変化と空虚さを通して、「自分とは何か」を問いかける重く印象的な物語でした。ホラーと心理描写がうまく融合し、読後に強い余韻が残りって面白い
面白いね。すごく興味をそそられる話しだったよ!!