本作の魅力は、主人公の中二病的な憧れと、周囲のガチすぎる信仰心の絶望的な乖離にあります。害獣駆除がいつの間にか聖典に刻まれ、あろうことか義務教育の教材にまでなってしまう。この「取り返しのつかない感」の描き方が秀逸です。
読者が抱くであろう「設定盛りすぎだろ!」というツッコミを、主人公の壱番自らが代弁することで、一気に親近感と笑いに変える構成が見事です。「シンプルな殴り合いでは世界最強」と言いつつ、自分をコミュ障でブサイクだと断じる壱番。この自己評価の低さが、周囲の熱狂的な崇拝とぶつかり合うことで、どのような「勘違いの連鎖」を巻き起こしていくのか、先が気になって仕方がありません。