ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(チェコ語名:ヤン・クシュチテル・ヴァニュハル、1739年 - 1813年)はチェコのボヘミアの小村に生まれ、ウィーンで活躍した音楽家です。
ざっくり言うと、ハイドンやモーツァルトと同時代の人物です。それだけでなく、彼らと実際に交流もあったことが知られており、本作ではそのあたりのドラマが確かな筆致で描写されています。
今となっては、誰もがその名を知っている音楽家ではありません。彼に関する記録も限られています。しかし、1770年代には、かなり人気のある音楽家だったようです。それは彼の音楽の雄弁さのみならず、彼の人間性によるところも大きかったのではないでしょうか。本作は限られた史実から知られざるヴァンハルの人となりを拾い出し、ひとりの誠実な人間として浮かび上がらせています。
日本でヴァンハルの音楽を演奏会で聞く機会はごく限られます。でも、現在では音源に簡単にアクセスできます。下記にヴァンハルの曲を三つ、挙げさせていただきます。本作を読む前に聞いてみるもよし、作品を読みつつ聞くもよし、読み終えてから聞くもよしです。
シンフォニー ト短調(Bryan g1、約15分)
https://www.youtube.com/watch?v=VFQY2ZVo7Po
ヴィオラ協奏曲 ハ長調(約18分)
https://www.youtube.com/watch?v=KvIpDjBz-e0&list=RDKvIpDjBz-e0&start_radio=1
コントラバス協奏曲 ニ長調(約16分)
https://www.youtube.com/watch?v=Dt-bNf6h0tI