このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(377文字)
梅は文人に愛される花木なので、時には情を受けとってはこのように拗らせることもあろうかと。不吉を含んだ、こちらを刺してくることもある紅の趣深さを堪能して鑑賞する作品です。
待ちかねた人も多かったと思われる蘆 蕭雪さんの新作。美しい花——梅や桜など——といえば、そこに宿る精のことを思わざるえない。それはしばしば美しい女性として表現される。そして、花の精は人に恵みを与えることもあれば、呪いを齎すこともある。そういった類いの話は神話・説話の頃から語られ続けており、今も多くの人を魅了しているが、この話は語られなかった花の魅力と恐ろしさを、耽美かつ簡潔な文章で描きだした名作。これを読むと花樹を愛でるのも恐ろしくなる…………?