令和の会社員・坂本恒一は、ある日、謎の名刺を拾ったことで、バブル景気まっただ中の1988年へタイムスリップしてしまう。気合と根性の昭和営業が色濃く残る総合商社に勤めることになった恒一は、現代のマーケティング知識を駆使して出世街道を駆け上がる!
「バブル時代に現代知識で大出世!」というだけの単純なサクセスストーリーではありません。自分だけが知っている"バブル崩壊"を見据えて、持続的な未来を創造しようと奮闘する姿に引き込まれるんです。
誰もが「土地の価格は永遠に上がり続ける」と信じて疑わない時代。恒一は短期的な利益ではなく、長く人が暮らせる未来の都市構想を目指す。恒一の提案は、土地転売に熱狂する上司や同僚には理解されず、役員には「消極的」と笑われる。それでも少しずつ景気に陰りがみえ始め、計画は次第に現実味を帯びていくのです。
時代の波に逆らいながら「本当に豊かな未来とは何か」を問い続ける恒一の姿がとにかく熱い! 恒一と対立する昭和世代の人々にも葛藤や苦悩が溢れて深い人生ドラマを映し出します。バブル経済の光と影を描きつつ、働くことや理想の社会とはなにかを考えさせられる本格ビジネス小説です。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)