発想の出発点がいい。防災備蓄を万全に整えた主人公が、地震とともに2LDKごと異世界へ転移するその「備えていたのに方向が違った」というズレが、作品全体のほのぼのとした笑いの源泉になっています。
「天上カリー」「風呂」「人材」と、話タイトルが生活感に満ちているのが微笑ましく、フェンリルやドワーフが住みついて宿場町へと発展していく過程がゆっくり丁寧に描かれます。
島田まかろん三世さんの作品群の中で最も「のんびり」な一作。ダーク恋愛やBLの後に読むと、その落差にほっとします。毎週更新中の連載作、これからの展開が楽しみです。