子どもの何気ない一言から、母の妄想がどんどん広がっていく、とても楽しい短編でした。
奏汰くんの言葉がまず可愛らしくて、子どもならではの純粋さや、どこで覚えてきたのか分からない大人びた言葉に思わず笑ってしまいます。
その一方で、母親として成長を見守る視線も温かく、ただの妄想コメディではなく、育児の中にある小さな驚きや愛おしさがしっかり感じられました。
そして、琥太郎くんの名前が出てきてからの展開が最高です。
微笑ましい友情のはずなのに、母の頭の中では一気に物語が広がっていく。その暴走具合が面白く、でも最後には自分でちゃんとツッコミを入れるところも含めて、とてもバランスがよかったです。
可愛い、笑える、でもどこか優しい。
母の愛情と妄想力が楽しく詰まった、読み心地のいい作品でした。