テンポの緩急の使い方が巧みで、シリウスとの出会いでは穏やかな夜の焚き火を丁寧に描き、ドラゴンとの対峙では緊張感を高める。そして幼児化したファルのコミカルな描写で一気に空気を弛緩させる。 この振れ幅が読んでて心地よくて飽きさせない。 また、食事の場面を重要な感情の転換点に使う手法も秀逸だ。スープ一杯、串焼き一本が、凍りついた心を溶かし、百年越しの孤独を癒す。料理描写の温かさが、単なるグルメ演出ではなく物語の核として機能している点に、確かなセンスを感じる。
魔物を支配するのが当たり前の世界で、優しさから追放された主人公という導入が分かりやすく引き込まれました。黒馬との出会いと関係性も魅力的で、この先どんな絆が広がっていくのか楽しみです。
魔物を痛めつけるやり方に馴染めなくてクビになる、っていう入りがまず好き。「力で支配する」んじゃなくて「話しかける」テイマーって設定が新鮮で、最初から応援したくなった。仲間のキャラがとにかく賑やかで笑える。「絶対守る!」って言った直後に足がすくんでる場面、読みながら思わず吹いた。このギャップがずるい。料理シーンの描写がよくて、読んでるこっちもお腹空いてくる感じ。それが魔物との距離を縮める鍵になってるのも、うまいなって思った。